さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

小さい改修でも断熱工事はしっかりと。

2015年03月31日 | 現場13~海野宿 上州屋プロジェクト

海野宿で今年初めて開催されたひな祭りでしたが、3月22日をもちまして1ヶ月間の開期を終え

またいつもの静かな海野宿に戻りました。

私達もようやく一息ついた感じではありますが、

2月は全く仕事が出来なかったので

3月に入ってからは2月の分を取り戻さなくてはっ

まだ終わっていない現場と、山積している計画などを慌ただしく進めておりまして

気がつけばもう月末・・・ 

そして明日から4月?!

・・・

息子は春休みだというのに、遊びに連れて行ってもやれず

一人焦りまくりな春を迎えております 

  

ここのところポカポカ陽気で(今日の日中は25℃くらいもあった!)

なんかいい香りがするな~と思ったら、庭で沈丁花が咲き始めていました☆

桜の便りがあちらこちらから聞こえてきますけども、

海野宿の桜はまだまだです

 

さて、海野宿で只今改修工事を進めている上州屋さんですが

本当は昨年中に終わらせたかった工事だったのですけども、

ご予算ギリギリなところへ、井戸が出没したり、

改修予定ではなかった部屋を、どうしても壊さないと配管が出来ないという理由で壊されてしまったり

などで、

お施主さんのDIY大工でなんとか予算調整しようと目論んでいたのですが

なかなかお施主さんのご事情も色々あって難しく、、、

やはり大工さんにやってもらう事になりました。

(じゃないと、工事が前に進まないのでした

 

 

これは何をやっているかと言いますと

床下に入れる断熱材、乾式のセルローズファイバーを受けるための板を大引の間に張っています。

これが終わらないと、断熱屋さんの工事が出来ません。

 

大工さんに根太まで張ってもらった後は

いつもお願いしている断熱屋さんの徳間さん登場です

根太の上に断熱専用シートを張りまして

そこに穴を開けて、このホースで断熱材セルローズファイバー(乾式)を吹き込んでもらいます。(ブローイング)

 

私たちがいつもこのセルローズファイバーを使う訳は

湿気に対して適度な調湿を期待できるから、というのと、

形の無いこの屑みたいな断熱材が歪んでいる古民家に馴染みがよく、隙間なく施工出来るから、です。

これがセルローズファイバーです。

圧縮されて梱包されているセルローズを、このミキサーみたいな機械に投入して

攪拌されて圧が加えられホースに流れていき、ブローイングされます。

  

この機械はいつもは徳間さんのトラックの中に設置してあるのですが

今回はトラックから施工する部分までホースが届かなかったので

機械を土間に降ろして施工されてました。

お陰ではじめて間近で機械を見ることができました~!

 

 

通り土間がセルローズ資材関係で一杯でした

 

ブローイングで断熱施工できるものには、セルローズの他にグラスウールもありますが

グラスウールは吸湿すると放湿しにくい性質があるため、防湿気密シート施工が必須となります。

防湿シートには完ぺきな施工を求められるのですが、

まぁ、しかし、そんなビニールシート1枚で湿気を防ごう、なんて考えは理論上の話だけであって、

実際にもし何かの原因で完ぺきに施工されたシートに穴があいたらどうなるのか、

例えば、お施主さんがDIYで壁に何か造作して穴をあけてしまったり、とか、

後付け設備工事などで壁に穴をあけられてしまったり、とか。。。

を考えると、

まるで密閉包装が破れてカビだらけになる食品みたいに、壁内部結露でぐすぐすな建物になったら困りますし(言い過ぎ?)

なので、出来るだけ防湿気密シート無しで内部結露のしない程度の断熱施工をしたいと考えてまして

私の設計では、湿気と相性の悪いグラスウールの採用はゼロでございます。

(ですので建設費に占める断熱工事費用は高めかもしれません。)

 

さて断熱施工も終わりまして、

次は床暖房のパネルを施工します。

パネル割の墨出しは現場監督(うちの旦那さん)やってます。

この廊下は本当は改修対象外だったのですケド

設備工事でどうしても床を剥がさなくてはならず、、、

どこかで建設費の調整をしないといけませんです、、、

  

  

それは取りあえず、置いておきまして

そろそろ床材の色を決めないといけませんデス!

サンプルを現場に置いて見ることに。

取りあえず、現状の木部に合わせるとすれば

真ん中の色か、

 

 

レトロな昭和のホーローキッチンに合わせるとすれば

左端の白木目か、

それとも、 

思いっきり古色で逆にモダンな感じにするか、

これからKさまと打ち合わせしようと思います。

 

既存の木部の色をそのまま活かすか

この際、全部、壁も天井も木部も白塗装で塗りつぶしてしまって、レトロ感のある台所にしてしまうか。

さてと、どんな風にしましょうかね

  

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昔の形態が良く残っている古民家を拝見!

2015年03月18日 | ◆古民家・伝統建築・その他見学

先日、松本市に建つ古民家を拝見して参りました!

どうでしょう。この風格といいますか、佇まい。

一瞬、ふわ~っと昔にタイムスリップしたかのような

まるで文化財保存されている建物みたいでした。

こちらの家には、現在60歳代くらい?の男性がお一人で暮らされています。

ですから、家の周りは手が入っていてとても清々しています。

よくぞここまで残っていてくれた、と言いますか、

(誰に感謝しているのか、よくわかんないですが、お問い合わせ下さったお客様に対してではありますけれども、それだけじゃない感じでもあります

建物を拝見しながら密かに感動しておりました。

  

聞くところによりますと、昔、庄屋をされていて、築凡そ250年だとか?!

もしそれが本当なら、かなり貴重な建物って事になります。18世紀?!

 

 

これだけ古い形態が残されている、という事は

近年リフォーム等されていなかった事でもありまして、

(昭和時代に屋根瓦などは新しくされた様子ですが、それでも数十年前ですね)

さすがに老朽化で床が落ちていたり、土台がちぎれていたり、隙間も相当あってビニールシートであちこち覆われていたりしてましたが、

拝見したところ、建物自体はまだしっかりしていて修理をすればまだまだ住める建物でした。

 

古民家を拝見する度に想う事ですが、

今の住宅事情において、いろいろな制度が設けられておりますケド

例えば、

2001年から始まった住宅性能表示制度(住宅の品質確保の促進に関する法律)とか、

2009年から始まった長期優良住宅認定制度(長期優良住宅普及の促進に関する法律)とかね。

ちなみに、長期優良住宅という名称に落ち着く前は200年住宅なんて言っていて、なにが200年?!なにが長期優良だっ

古い建物に関わっている身分としては、ほとほと呆れていましたが

(だいたい、自分が生きてない先の事まで保証するような言いまわしを平気でする事自体、胡散臭いって思いませんか? そういう謳い文句は不当表示に近くないかって思いマス)

  

案の定、

木造長期優良住宅の総合的検証委員会 耐久性分科会 平成 25 年度成果報告集』 なるものが平成26年3月に出まして

その中に、長期優良認定仕様、性能等級評価仕様で建てて、わずか数年で劣化した劣化事例がいくつも載っておりました。

劣化の原因は、結露によるカビ、腐朽菌による材料の腐朽、シロアリ等が多いようでした。

 

やっぱりね。 

 

だから私はいつも、国が定める制度よりも(違法な事はしませんけど、法律を守ればいい、制度を採用すればいいってものではない)

まず

腐らない建物を健全に建てる方が優先!と思っており、

それが出来なければ、いくら構造を耐震にしても意味が無い、と考えていました。

  

長期優良だか、200年住宅だかそんな耳触りのいい標語に乗せられている建築業界。 

車のような工業製品じゃない住宅に、あれこれ仕様をあてがってみたところで

耐久性に関しては、実は伝統建築の足元にも及んでいないじゃないかって

200年近く現存してきた伝統建築を目の前にすると思ってしまいます。

(ふつふつと今の時代に、怒りが湧いてきてしまう。)

 

ですので、せめて今残っている古民家は大切にしたいと思っておりまして

建物を保存しながらも住み続けられるように直してあげたいと

いつも考えています。

  

しかし、、、我が家もそうですが

これくらいのクラス・規模になってくると、ちょっと改修、というレベルではありませんし、

普通に家一軒建てるくらいの費用は掛かる。。。

  

こういう古い家(屋敷)を受け継ぐという事は

各代が新宅を建てるくらいの費用を掛けながら、維持されていくようなもの。

ここで価値観が問われるのかもしれません。

新宅にしろ、家を受け継ぐにしろ、どっちみち掛かるものは掛かるのなら

古い家に費用を掛けて住み継ぐ方が合理的な感じもするのですけど、

しかし、そうそう思い通りにはいかずで、実際は大変なのであります。(海野宿の我が家もですが

 

 

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いろいろ取材のあった海野宿ひな祭り♪

2015年03月08日 | ◆年中行事・祭り・イベント

2月21日より始まっております海野宿<初>ひな祭り

メインイベントは先々週末(2/28・3/1)に終えましたが

引き続き3月22日まで各家の雛飾りの展示はご覧になれます

  

各家の展示は、各家に管理をお願いしているので

各家毎に若干展示時間の違いがありますが

基本的には午前10時~午後4時まで展示しております。

ちなみに、海野宿の駐車場料金は有料です スミマセン

私共とお知合いの方でご覧になりたい方は、一声掛けて下されば、当事務所の駐車場(?)停めてもらっても構いませんデス!

  

展示は午後4時までと一応なっておりますが

夜のライトアップも協力して下さる家のみやってます

こんな感じ↓(これは我が家です。午後8時くらいまでライトアップしてます)

まだまだ雪がちらつく信州。

 

 

さて、

先々週末のメインイベントが終わりまして

山積している仕事を目の前にしながらも、ちょっと一息気分ではあります

 

イベント前にはいろいろと取材もありまして、

その時点でブログでもう少し宣伝すれば良かったのかもしれませんが

あまりにも忙し過ぎてその余裕もありませんでした

 

折角いろいろなメディアから取材を受けた海野宿ひな祭りでしたので

記録用として記しておこうと思います。

 

まず2月20日には地元のとうみケーブルテレビに、開催準備の様子として稲の花を作って飾る様子が放送されました。

稲の花を地元の子ども達と一緒に作っている様子。

  

ひな祭りの企画の立役者

  

稲の花を配っています。

うちの息子はご近所さんとお話し中~(わんちゃんが可愛いのだ!

常々テレビに出たがってた息子もケーブルテレビには沢山映ってまして

これで息子も少しは満足しただろうか?

 

更に2月26日には地元ローカル番組 3時は!ららら♪(SBC信越放送)にも取り上げて頂きました

着物で歩こう!という事で

うちの旦那さんも着物を着せてもらって撮影でした

 

 

イベント日に振舞われる甘酒、ひなあられ♪

*イベントは先々週末に終了しました。沢山の方々が海野宿ひな祭りにお越し下さいました!

放送内容はコチラ↓

2月26日の女子の力は△海野宿でひな祭り△

 

 

そして信濃毎日新聞にも2月26日付新聞に掲載して頂きました

うちの旦那さんが実行委員長という事で、急に取材を受けまして

お恥ずかしながら私共の未完成な主屋と雛飾り。そして我々が・・・

しかも私たちは作業着のままでした

(長靴を履いてなくて良かった。。。)

 

新聞記事はコチラからもご覧になれます。↓

信毎WEB 信毎おでかけガイド

民家の格子戸越しにひな人形 東御・海野宿で初イベント

 

 

先々週末に行われたひな祭りイベントの様子はとうみケーブルテレビ 上田ケーブルビジョンで 放送されてましたね。

  

このように、初めての海野宿のひな祭りという事で色々と取り上げて頂きまして

これもいい思い出になりそうです

 

メインイベントは終わりましたけれども、引き続き3月22日までは毎日

30軒あまりの家々のお雛様が格子越しにご覧になれますので

この機会にどうぞ海野宿へ~!

 

公式フェイスブックページはコチラ↓

海野宿ひな祭り

 

 

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