「いい顔で写っているねぇ」と、一枚の写真を見て母に声をかけた。職員のどなたかが撮ってくださったものだろう。「いいでしょう!、家へ帰るとき、それ持って帰ろうと思って}と母が言う。「家へ帰るとき持って帰ろうと思っているのね」と声になった私。車いすの生活では、帰れるような状態ではないが、そのことはどうでもよかったのだ。「いい人になったねぇ」と母。過日、施設に高齢の母を訪ねたときの何気なく交わしていた会話であった。母の声になったそのことばに、安堵のような感じに包まれた。安らかさが母に訪れてきて・・・亡くなっていただいていい、と言う気持ちになった。有難かったことに、私がいい人かどうかに、関心がなかった点だ。いい人にならなければと言ったような、私に力み・無理がなかったところを母は感じられて、「いい人」に想えたのではなかったかと。さわやかが遺った。
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