ワールドカップ12大会取材のサッカージャーナリストのブログ
牛木素吉郎のビバ!スポーツ時評
2011年12月の関西旅行(下)
「関西サロン」忘年会での講演
(2011年12月20日 神戸・KR&AC)
★外国人のスポーツクラブ
12月に関西に旅行したのは「関西サロン」の忘年会に招かれたからである。関西のサッカー仲間有志のグループで、東京の「サロン2002」と連携している。
幹事さんから「殿堂入りのお祝いをするから講演を」と言ってきたので「お祝いは困るけど忘年会で話すのなら」と出掛けた。
会場は神戸三宮駅から歩いて5分ほどのところにある「KR&AC」(神戸レガッタ・アンド・アスレチック・クラブ)だった。関西在住の外国人が集まる場所である。
19世紀なかばに外国人居留地ができたとき、主として英国人が持ち込んだスポーツは、まずレガッタ(漕艇)、クリケット、テニス、そしてフットボールだった。
彼らは、神戸でも横浜でも、住みつくと同時にスポーツクラブを作った。と、ともに日本に最初にスポーツが移入された場所である。
★三つのテーマで
関西のサッカー関係者の方に、ぼくの話を聞いていただく機会は、めったにない。そこで、張り切って、そして欲張って、三つのテーマで話をした。
一つは、40年以上前に「サッカー・マガジン」誌上などで展開したキャンペーンの紹介、いや自慢である。「クラブ組織のサッカーを広めよう」「日本のサッカーにプロを導入しよう」「日本でワールドカップを開催しよう」。そういう主張だ。いまは全部実現して「当たり前」になっているが、当時は、とんでもない異端だった。
次に、6~7月にドイツの女子ワールドカップで見てきたことを報告した。
「なでしこJapan」の活躍にも感心したが、もう一つ感心したのは、ドイツの大会運営である。主として人口20万~30万くらいの中小都市が会場になり、それをつないだネットワークで開催されていた。
★過去、現在、未来をつなぐ
それぞれの都市では、町の人たちがボランティアとして、自分たちのイベントを、自分たちの力で運営していた。その背景には、地域のスポーツクラブでの日常的な活動があるようだった。オリンピックのような大規模集中開催よりも、地域分散のネットワークによる中規模開催のほうが楽しい。地域振興の役にも立つ。
三つ目の話は「女子ワールドカップを日本で開催しよう」という提案である。それを地方分散のネットワークで運営し、地方のスポーツの将来に役立てよう。そういう夢を話した。2023年の開催をめざすべきだと、ぼくは考えている。
関西サロンで話した三つのテーマは、過去、現在、未来にわたっている。そして「地域のクラブを基盤に」という考え方でつながっている。
「10年1日」いや「40年1日」の主張だろうか?
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