サッカー日誌 / 2012年03月20日


国立競技場改築計画への疑問(上)


五輪招致のための「空手形」作り?

第1回「将来構想有識者会議」
(3月6日 国立競技場会議室)

★老朽化で改築は必要
 新聞の片隅に小さな記事が載っていた(3月7日付、朝日新聞朝刊、東京版)。国立競技場改装のための「将来構想有識者会議」が開かれたというニュースである。「国立改築、作業部会で検討」と小さな見出しがついていた。
 「また、東京オリンピック招致のためのペーパープランじゃないのか?」
 これが、ぼくの頭の中に最初に浮かんだ疑問である。
 「国立競技場」は、1958年に東京で開かれた第3回アジア競技大会のときに、神宮外苑競技場を取り壊して建設された。その後、バックスタンドの上段部分が付け加えられて、1964年の東京オリンピックのメーン・スタジアムになった。
 建築後、半世紀以上たって建造物自体が老朽化している。いろいろな設備も時代に合わなくなっている。改築あるいは取り壊しの時期が来ていることは間違いない。

★五輪のメーン・スタジアムに?
 今回の改築将来構想会議は、2020年オリンピック夏季大会招致のために違いない。
 日本オリンピック委員会(JOC)と東京都が2月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出した開催計画では、霞ヶ丘の国立競技場を開閉会式と陸上競技などを行うことになっている。しかし、いまの国立競技場のままでは、とてもオリンピックの規格には合わないから全面改築計画をIOCに示さなくてならない。そのための構想を紙の上だけでも早急に作る必要がある。そのための会議だろう。
 2016年のオリンピック開催地に立候補したときには、東京湾の埋め立て地に10万人収容の陸上競技場を新設してメーン・スタジアムにする計画を提出した。しかし、東京湾に突き出した敷地に10万人の人びとを出入りさせるのは、アクセスの方法が限られているから現実的でない。その点をIOCに指摘されて2016年招致失敗の一因となった。

★陸上競技場としての疑問
 そこで今回は都心部の国立競技場を改築してメーン・スタジアムにする計画を提出した。その計画が進んでいることをIOCに対して示さなければならない。
 しかし、これには、いくつもの疑問がある。
 陸上競技の国際規格では9レーンのトラックが必要である。現在の国立競技場は8レーンである。これを9レーンに増やし、さらにスタンドを8万人収容に拡張するのは、現在の敷地のままでは技術的に難しい。そういう指摘がすでになされている。
 また、オリンピックの陸上競技場として使うのであれば練習用のサブ・トラックが必要である。いまの国立競技場には400mのサブ・トラックがない。それを、どこに作るのか?
 かりに8万人収容の陸上競技場を作ることができたとしてもオリンピックのあとに、どのように使うのか? 陸上競技の会場としては、ほとんど利用されないのではないか?


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