サッカー日誌 / 2011年11月17日


ピョンヤンの試合、戦い方評価


ワ-ルドカップ・アジア3次予選
 北朝鮮 1対0 日本
(11月15日 ピョンヤン金日成競技場=TBSテレビ)

★見どころは勝敗より「戦い方」
 ピョンヤンで行われたワ-ルドカップ2014のアジア3次予選、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)対日本の試合は、勝敗にほとんど意味はなかった。日本は最終予選進出が決定済みで、北朝鮮は失格が決定済みだったからである。
 日本の多くの人に関心があったとすれば、日本代表チームの22年ぶりのピョンヤン訪問を北朝鮮が「どのように受け入れるか」だっただろう。TBSテレビが生中継したので、ある程度はそれを窺うことはできた。ただし競技場内だけである。
 そうではあっても、サッカーの試合だから、技術、戦術面の見どころはある。
 北朝鮮チームは、地元の大観衆に囲まれて日本を相手に、むざむざと負けるわけにはいかない。日本のほうは、タジキスタンから北京経由で乗り込んで遠征の疲れもある。
 それぞれ、どういう戦い方をするかには、興味があった。

★北朝鮮の意外な交代策
 前半35分に北朝鮮は意外な選手交代をした。トップのチョン・テセに代えて、20歳の若手、パク・ソンチョルを出したのである。それまで0対0ではあったが、北朝鮮が積極的に攻めて優勢であり、チョン・テセは鋭いミドルシュートを放つなど活躍していた。交代の狙いが分からなかった。
 ところが、そのあと、北朝鮮の攻めが鋭さを増した。右サイドから攻め込み、コーナー近くからのクロスにパク・ソンチョルが走り込んで、あわやと思わせるシュートを放った。
 日本の左サイド、伊野波と岡崎の守りの甘さをついたものだった。
 ただし、この攻めはゴールには結びつかなかった。パク・ソンチョルの走りこみは鋭かったが、一点で合わせるシュートは、なかなか正確にはいかないものである。
 後半4分の北朝鮮の1点は、フリーキックからヘディングをつないだものだった。

★ザックの常識的用兵を評価
 1点をリードされた日本は、後半16分に中村憲剛を引っ込め内田篤人を出し、システムを4:4:2から3:4:3に変えた。ザッケローニ監督は、攻撃に出なければならない状況で、自分の代名詞になっている3:4:3の使い方の一つを示したわけである。勝敗が重要ではない試合だから試みることができたのかもしれない。ともあれ、この作戦も効果はなく0対1で敗れた。北朝鮮が後半32分に1人、レッドカードで退場になったが、つけこむことはできなかった。
 ザッケローニ監督は、先発メンバーを4日前のタジキスタンとの試合の先発メンバーから6人変えた。勝敗が重要でない試合で新しいメンバーの組み合わせを試み、控え選手に経験を積ませるのは常識的な策である。結果も内容も「良かった」とは言えないが、相手が勝負にこだわってくる雰囲気にのまれずに、冷静な戦い方を選んだことを評価したい。



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