サッカー日誌 / 2009年08月04日


差別発言に厳しく対処を


J2 東京ヴェルディ 1対2 ヴァンフォーレ甲府
(7月22日 味スタ)

★レアンドロ激昂事件
 東京ヴェルディのレアンドロが突然、激昂した事件があった。1対2でヴェルディが甲府に敗れた試合の終了直後、フィールド中央に選手たちが集まったときに、主審がレアンドロにイエローカードを出した。そのあと暴れ出そうとして同僚に取り押さえられたのである。警告は主審に「ロスタイムが短すぎる」と文句を言ったためだったが、レアンドロが怒りだしたのには別の原因があった。
 レアンドロが「切れた」のは、警告を受けた直後に、甲府の杉山新選手が「差別用語」を使って悪口を言ったためだった。レアンドロはそう主張している。
 「サル(猿)」という意味のポルトガル語を浴びせられたのだという。「サル」は、ブラジルでは「黒人」をあざける言葉として使われているという。
 甲府側は「そんなことはない」と反論している。

★カタコトのポルトガル語で悪口?
 記者席から双眼鏡で見たところ、レアンドロの怒りようは尋常ではなかった。顔面蒼白。目は引きつっていた。ヴェルディの同僚たちが数人がかりでけんめいに抱えて止めたので、甲府の選手に殴りかかることはなかったが、明らかに憤激していた。
 甲府の選手が「人種差別」のつもりでののしったとは、ぼくには考えられなかった。日本では皮膚の色による差別や悪口は一般的ではないからである。一方、レアンドロが激昂する背景は想像できた。欧米での差別の実情を知っているだろうからである。日本語を十分には理解できないために、レアンドロが誤解したのだろうと、そのときは推測した。
 ところが、である。友人が次のような見方を教えてくれた。
 「ブラジルに短期間行ったときに覚えたカタコトの悪口を、面白半分で、よく分からずに使う選手がいるんですよ」

★熊本対甲府戦にも前例
 外国人に「バカ」「アホ」など、よくない言葉を教える人がいる。また教えられた外国人が無邪気に連発する例がある。それと似たようなものかな、とも思った。
ところが、である。実は前にも、熊本-甲府戦で「同じ問題が起きた」ことがあったという(7月25日付朝日)。
 同じクラブの選手が繰り返し同じ問題を起こしているのだとすれば見過ごすことはできない。同じ言動を繰り返す選手やクラブに対して厳しく対処し、人種差別や民族差別は国際的にも社会的にも重大な問題であることを、選手たちに十分に認識させる必要がある。
 Jリーグは、発言の証拠が残っていないからとして、今回は処分を控え、差別的な言動をしないよう通達を出すに留めた。しかし、今後も繰り返されるようだったら、サッカー界から追放するぐらいの厳しい処分が必要である。


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