サッカー日誌 / 2010年02月13日


東アジア選手権(4)


厚い守りを崩す戦い方

女子 日本 3-0 台湾
男子 日本 3-0 香港
第4日 2月11日(祝) 東京・国立競技場

★女子は若手起用、男子は主力で勝負
 東アジア選手権決勝大会で、各チームは3試合ずつ戦うが、日本にとって第2戦は、ちょっと手を抜きたいところだった。女子は中1日置いて、男子は中2日置いて、ともに韓国との対戦がある。これが優勝を決める試合になるので主力を休養させておきたいからである。
 女子の佐々木則夫監督は、第1戦の先発メンバーのうち8人を第2戦では先発からはずし、20歳前後の若手を起用した。主力を温存し、若手に経験を積む機会を与えたわけである。
 男子には、その余裕がなかった。5日前の第1戦で中国と引き分け、内容も悪かった。岡田武史監督は「テンポが悪かったから、パスの感覚を取り戻させるために」という理由で、ややレベルの劣る香港が相手ではあったが、レギュラーを起用した。岡崎は右ヒザ痛、長友は発熱と下痢で出られなかったが、代わりのメンバーも常連である。ただ、中盤で稲本潤一に代えて小笠原満男を出したのだけが例外だった。小笠原をここで使わなければ、4年ぶりに代表に呼び戻した意味がなくなるところだ。

★女子・宮間の「個の力」で先取点
 女子の相手は、女子サッカー発展途上の台湾である。日本は主力温存でも危なげはなかった。
 ただ、立ち上がりから一方的に攻めながら、なかなか攻めきれなかった。引いて厚く守られると、レベルに差があっても、簡単には破れないものである。
 だから、前半19分の先取点は貴重だった。相手ペナルティエリア内、右ポストに近いエリアで、宮間あやが相手と競り合ってボールを奪い、すばやく食い込んで一人をかわし、ゴールラインぎりぎりからゴール前に送った。そこへ16歳の岩渕真奈が走りこんで合わせた。
 宮間は25歳。若手のなかへ中盤のリーダーとして送り込まれていた。その宮間が個人の力で、相手の守りを崩して突破口を開いた。厚い守りを崩すには「個の力」が必要である。
 後半に岩渕と高瀬愛実が1点ずつを加えた。シュート数24-1と圧倒しながら3点は物足りないが、後半の得点はパスで攻め崩したもの。若い選手にこういう試合の経験を積ませたことに意味があった。

★男子・3得点では不十分
 男子の日本も、香港の守りを攻めあぐんだ。だが、女子と違って主力を出しているのだから「厚い守りを破るのは難しい」という言い訳は通用しない。経験豊かな選手たちの能力とアイデアを結集して攻め崩すことができないようでは、ワールドカップの「ベスト4」は遥かに遠い。
 前半41分の1点は、相手のクリアミスを拾って玉田圭司が決めたもの。角度のないところからのシュートは良かったが、組織的に攻め崩したものではない。
 後半17分に小笠原に代えて稲本を出し、稲本が中盤の守り、遠藤保仁がやや前がかりにと、2人を縦に並べてから、変化のある展開が出てきた。しかし、その後の2点は、ともにコーナーキックからだった。香港は「経験を積ませるために」(キム・バンゴン監督)と若手を出し、不慣れな冷たい雨と風に悩まされていた。それを攻め崩せないようでは心細い。
 優勝は中国と得失点差の争いになる可能性が高い。それを考えると、シュート数22-1で3点は不十分。あと2点は欲しいところだった。

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