サッカー日誌 / 2016年05月10日


東京五輪のエンブレム(中)


描きやすい必要はないのか?
(4月25日、組織委最終選考)

★1964年東京大会の標章
 1964年東京オリンピックのエンブレム(標章)は、有名なデザイナーの亀倉雄策の作品だった。
 大きな赤い日の丸の下に、五輪マークとTOKYO 1964の表示がある。
 単純明快で、アトラクティブだった。
 当時、このデザインが高い評価を得た理由の一つは「誰にでも描ける」ということだった。
 日の丸と五輪の組み合わせだけで、シンプルに東京オリンピックを表現している。
 シンプルだから、子どもでも描ける。
 世界中の人々が、真似をして描いて利用できる。
 それが、東京オリンピックのPRになる。
 著作権あるいは商標権を主張して、標章の使用を制限するのではなく、逆に自由に利用してもらって、大会を広く知ってもらうことが狙いだった。

★コンピューター時代
 今回、決まった2020年大会のエンブレムのデザインは複雑である。
 形の違う3種類の四角形を45個も市松模様に組み合わせて円を描く。
 シロートが簡単に真似をして描くことは不可能である。
 複雑なデザインが選ばれたのは、なぜだろうか?
 思うに、一つの理由は、コンピューター時代になって、手描きでコピーする必要がなくなったことではないか?
 複雑なデザインでも、パソコンでダウンロードして、加工して使うことが簡単にできる。
 また現在では、標章は資金集めの手段である。
 協賛金を払うスポンサーに、広告などで使う権利を与える。
 単なるPRではなく、商業利用が目的である。一般の人びとに勝手に無料で利用されては困る。
 だから、簡単に真似できない複雑なデザインのほうが、いいのかもしれない。

★4候補とも一長一短
 最終候補に残った4案のうち、採用されたA案(組市松紋)以外の三つの案も、けっこう複雑なデザインだった。
 B案(つなぐ輪、広がる輪)は、赤、青、黄色で輪(円)を描いたもので、デザインとしては単純だが、色の組み合わせが複雑である。
 C案(超える人)は、運動している人物を、黄色、青、赤で円形に図案化したもので、スポーツ大会の標章としては、もっとも分りやすい。
 D案(晴れやかな顔、花咲く)は、朝顔をモチーフに円を描いたもので、デザインとしては美しい。しかし、オリンピックあるいはスポーツと朝顔との関連が分らない。
 というわけで、どの作品も一長一短のように思えた。
 デザインについて、まったくのシロートだが、あえて意見を述べれば、C案を推す。スポーツが表現されているからである。


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