サッカー日誌 / 2008年06月11日


アウエーの用兵は適切だったか?


W杯アジア3次予選、対オマーン(下)
(オマーン 1対1 日本、6月7日・マスカット)

★結果として引き分けは上出来
 オマーンとの第2戦をアウエーで引き分けたのは結果としては上出来だった。勝ち点1を加えて、3次予選突破は有力となった。
 テレビ中継で見る限り、選手たちは悪条件のなかで、よくがんばっていた。ホームでの第1戦から中4日、飛行機で12時間の旅のあとである。時差5時間。気温は40度に近く、湿度は50%を越していた。運動量が落ちたのはやむをえない。それでも、パスを確実につなぎ、相手の個人的な力による突破を、しっかり食い止めていた。スタッフの対策と選手たちの体調管理がよかったのだろうと思う。
 ただし、岡田監督の用兵には議論の余地がある。
 先発メンバーは、1人を除いて第1戦と同じだった。右サイドバックに内田篤人が起用されたが、これは長友佑都が右足首を痛めたためである。
 
★勝ったメンバーは変えない?
 快勝した第1戦とほぼ同じメンバーを使ったのは常識的な用兵である。「勝った試合のメンバーをいじるな」と、よく言われる。
 しかし、今回の場合は、選手たちが疲れているうえに酷暑の悪条件である。さらに1週間後にはバンコクでタイとのアウエーの試合を控えている。主力の一部を休ませ、第1戦では使わなかった選手を入れて活力を加えることも考えられた。
 第1戦は中盤を攻撃的なプレーヤーで構成したが、第2戦はアウエーだから守備の強い選手を起用して守りを固め、攻めは逆襲速攻を狙うのも手である。「アウエーは引き分けでもいい」というのも一つの常識だ。
 中盤には人材が多い。それぞれ特徴のあるプレーヤーである。近野泰幸、鈴木啓太、中村憲剛、山瀬功治などの、いろいろな組み合わせを考えてみることができる。

★中盤の多様な選択肢を生かせ
 しかし、岡田監督は第1戦と同じメンバーを先発させた。「これがベストの組み合わせ」と信じたからだろう。ベスト・メンバーで攻勢をかけて先取点を狙い、リードを奪ってから、守備的な構成に変えることを考えていたかもしれない。
 ところが、立ち上がりの12分にオマーンに先取点を奪われた。それで守備重視の布陣に変えることはできなくなってしまった。
 後半8分にPKで同点にできたのは幸運である。その5分後にPKをとられたが、防ぐことができたのも幸運である。1対1の引き分けは、結果としてはよかったが、岡田用兵の成功とはいえない。
 2010年のワールドカップ出場権を得るには、まだ先に長い道のりがある。中盤構成の多様な選択肢を生かして戦って行く必要があるだろう。

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