サッカー日誌 / 2012年12月18日


トヨタ・クラブW杯観戦記(5)


多彩なタレント集団チェルシー

準決勝-2
チェルシー 3-1 モンテレイ
(12月13日 横浜国際総合競技場)

★最高の部品による精密機械
 欧州代表のチェルシーは、イングランドのチームだが、この日の先発にイングランド出身のプレーヤーは2人だけ。ほかはスペイン3、ブラジル2、ベルギー、セルビア、チェコ、ナイジェリア各1だった。世界選抜のタレント集団である。
 だから「お国ぶり」を感じさせるような親しみやすいスタイルはない。最高級の部品を集めて組み立てた高性能の機械のようなチームである。
 北中米代表のモンテレイは、南米アルゼンチンのプレーヤー3人を要所に配しているが、メキシコのクラブらしい雰囲気を保っている。それが、このチームの楽しいところではあるが、プレーヤーの質は飛び切り上等とはいえない。
 最初のうち、モンテレイが守備的になったのは、やむをえないところだろう。まともに取り組んでは、ずたずたにされるおそれがある。
 
★スピードと意外性
 引き気味になって守るモンテレイを、チェルシーは速さと技術とアイデアで攻め崩した。
 チームとしては、機械のような無機質な感じだが、個々の部品は、それぞれが高級なコンピューターを備えていて、状況を判断して対応し、それを組み合わせてグループの戦術を組み立てる。そういうように連想した。
 前半17分に先取点。パスを受けたオスカルが、ヒールキックでコールとワンツー。そのクロスをマタが決めた。
 ブラジル-イングランド-スペインの組み合わせである。違う性質の部品を組み合わせ、一つの性能を発揮できるようにする。チェルシーのようなチームの監督は、そこに苦心するのではないか。そういうふうにも想像した。
 得点を決めたマタに対するマークが、ゴール前で甘くなっているように見えたが、これはモンテレイの守備がオスカルとコールのスピードと意外性に振り回された結果である。

★格下にも慎重な対応
 モンテレイは、リードされてから攻めに出るようになり、形勢としては互角になった。
 しかし、チェルシーの守りは堅固で、なかなかペナルティエリアに入りこめない。サイドから高いクロスをあげても、ゴールキーパーにとられる。前半にシュートは4本あったが枠に飛んだのは0である。
 チェルシーは、後半の立ち上がりに2点をもぎとって勝利を決定付けた。
 後半1分の2点目のアシストはベルギーの若手、21歳のアザール、決めたのはスペインのベテラン、28歳のフェルナンド・トーレス。国籍も年齢もチェルシーは多彩である。
 モンテレイが1点を返したのは後半の追加時間(2分)に入ってからだった。
 格下とも思える相手に対しても、チェルシーのベニテス監督は、慎重に対策を立てたらしい。本来はディフェンダーのダビド・ルイスを中盤に使った理由を、試合後の記者会見で丁寧に説明していた。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« トヨタ・クラ... トヨタ・クラ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.