サッカー日誌 / 2015年09月24日


2015年度サッカー殿堂入り(6)


数字に表れない功績を

表彰式と記念パーティー
(9月10日 JFAハウス)

★投票による競技者表彰
 日本サッカー殿堂の表彰は2種類ある。
 競技者(選手)表彰と特別表彰である。
 2015年度に日本サッカー殿堂入りした4人は、特別表彰だった。今回は「競技者表彰なし」だった。
 競技者表彰はプレーヤーとしての活躍が対象である。
 競技者表彰には難しい問題がある。
 殿堂委員会で候補者を推薦し、協会役員とマス・メディア関係者(サッカー担当記者など)によるメンバーが投票して、一定割合以上の票を得た者が選ばれる。
 まず、投票対象になる候補者を選ぶ基準が問題である。
 ある程度、評価の定まった者を候補者にする必要がある。
 現役のプレーヤーだと、その時点での一時的な活躍だけで評価され兼ねない。
 そのために「物故者を除き、60歳以上になってから」という規定がある。これが、なかなか、やっかいである。

★若い世代が投票
 プレーヤーが現役を引退するのは30~40歳代である。
 60歳以上となると、引退から20年以上たっていて、現役時代の活躍は忘れられかけている。
 一方で、投票するマス・メディアのサッカー担当記者の多くは、候補者の現役時代を見ていない若い世代である。
 というわけで、投票する人の多くは、候補者の現役時代のプレーを知らない。
 そのために、投票の根拠を、記録に残っている「数字」に頼ることになる。
 これが問題である。
 新聞社のスポーツ記者だったときに「野球の殿堂」入りの投票をしたことがある。
 野球の場合は「数字」を参考にしても、それほど見当違いにはならない。投手であれば200勝、通算防御率、打者であれば2000本安打、通算打率などである。

★選考基準と方法を見直そう
 サッカーでも、得点数、アシスト数、出場試合数などの「数字」はあるが,野球の場合ほどには、業績を反映しない。 
 中盤や守備のプレーヤーの貢献は数字になりにくい。
 それが「競技者表彰」を難しくしている一因ではないか?
 サッカーでは「数字にならない功績」を重視する必要がある。
 現在の時点で「競技者表彰」をするとすれば、創設50周年を迎えた日本サッカーリーグ(JSL)のころのプレーヤーが対象だろう。
 JSLのころのプレーヤーの業績を、当時を知る人によって、改めて検討してはどうか。
 JSL当時、日本のサッカーを変えたプレーヤーで、殿堂入りの候補になっていない人が、たくさんいるように思う。
 選考の方法と基準を見直して「数字にならない功績」を、歴史に残して欲しい。
(この項終わり)


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