ワールドカップ12大会取材のサッカージャーナリストのブログ
牛木素吉郎のビバ!スポーツ時評
サッカー日誌 / 2008年02月03日
岡田監督、強化2試合の評価
日本代表 3対0 ボスニア・ヘルツェゴビナ代表
(1月30日・国立競技場)
★選手にのびのびやらせたら?
岡田武史新監督の日本代表強化試合第2戦は快勝だった。第1戦に比べると、選手たちがのびのびとプレーしているようにみえた。
チリとの第1戦のときは「密集突破を試みよ」と岡田監督に言われたので、選手たちが短いパスこだわったと、新聞には書いてあった。第2戦のあとの記者会見で、岡田監督は「ぼくは、ショートパスだけをやれなんて、言ってませんよ」と反論したが、これは記者の書きかた、ききかたの言葉じりをとらえた言いわけである。少なくとも、第1戦では岡田監督の考えが選手たちに、しっかり伝わっていなかったことになる。
第2戦では「選手たちが自分たちで対応してくれた」と岡田監督は話した。
それでいい。選手たちが自分たちの判断で、のびのびとプレーを選択するように仕向けることが、この段階では重要である。岡田監督は、ちょっと軌道修正をしたようだ。
★当面はオシムの遺産活用が安全
ワールドカップ・アジア3次予選の第1戦(2月6日、対タイ)まで、準備期間はあまりない。ここは、オシム前監督がまとめたチームを活用するのが安全である。若手の内田篤人以外は、オシム当時のメンバーをそのまま使った。これは正しい選択だった。
オシム一家のメンバーは、チームとしてまとまっている。溶け込んでいないのは、新しく加わった監督である。新監督が選手たちの信頼を得てチームを掌握するには、時間がかかる。だから当面は、できるだけ選手たちに自由にやらせて、ポイントだけアドバイスする程度にとどめるのがいい。
第2戦では、そうなったようにみえた。
点差は3対0と開いたが、楽な展開だったわけではない。後半23分にコーナーキックを生かして1点を取ったのが効いた。このコーナーキックは岡田監督のパターンだろう。
★相手の守りの変化をつく
ボスニア・ヘルツェゴビナは下がって厚く守っていた。しかし先取点を取られると守りが乱れた。原因は、一つには攻めに出るほかはなくなったこと、もう一つは長旅の疲れで体調がよくなかったことだ。
横一線の浅いラインになった守備の裏側をついて日本は2点を加えた。後半38分の2点目は、第2線から走り出た山瀬功治に大久保がいいパスを出した。交代出場した幡戸がオフサイド気味の位置にいて「おとり」になっていた。43分の3点目は、幡戸がヘディングで落とし、これも後方から走り出た山瀬が決めた。
相手の守りの変化をすかさずついた攻めだった。これが、選手の好判断によるものか、岡田監督の狙い通りだったのかは分からない。ともあれ、いい形で点を取れたのはよかった。
ボスニア・ヘルツェゴビナは旧ユーゴスラビアの共和国の一つである。「東欧のブラジル」といわれた技巧派の国の選手たちに比べて、日本選手はテクニックも戦術的判断力も上だった。日本のサッカーのレベルも上がったものだと古いサッカー記者としては、ちょっと感慨があった。
(1月30日・国立競技場)
★選手にのびのびやらせたら?
岡田武史新監督の日本代表強化試合第2戦は快勝だった。第1戦に比べると、選手たちがのびのびとプレーしているようにみえた。
チリとの第1戦のときは「密集突破を試みよ」と岡田監督に言われたので、選手たちが短いパスこだわったと、新聞には書いてあった。第2戦のあとの記者会見で、岡田監督は「ぼくは、ショートパスだけをやれなんて、言ってませんよ」と反論したが、これは記者の書きかた、ききかたの言葉じりをとらえた言いわけである。少なくとも、第1戦では岡田監督の考えが選手たちに、しっかり伝わっていなかったことになる。
第2戦では「選手たちが自分たちで対応してくれた」と岡田監督は話した。
それでいい。選手たちが自分たちの判断で、のびのびとプレーを選択するように仕向けることが、この段階では重要である。岡田監督は、ちょっと軌道修正をしたようだ。
★当面はオシムの遺産活用が安全
ワールドカップ・アジア3次予選の第1戦(2月6日、対タイ)まで、準備期間はあまりない。ここは、オシム前監督がまとめたチームを活用するのが安全である。若手の内田篤人以外は、オシム当時のメンバーをそのまま使った。これは正しい選択だった。
オシム一家のメンバーは、チームとしてまとまっている。溶け込んでいないのは、新しく加わった監督である。新監督が選手たちの信頼を得てチームを掌握するには、時間がかかる。だから当面は、できるだけ選手たちに自由にやらせて、ポイントだけアドバイスする程度にとどめるのがいい。
第2戦では、そうなったようにみえた。
点差は3対0と開いたが、楽な展開だったわけではない。後半23分にコーナーキックを生かして1点を取ったのが効いた。このコーナーキックは岡田監督のパターンだろう。
★相手の守りの変化をつく
ボスニア・ヘルツェゴビナは下がって厚く守っていた。しかし先取点を取られると守りが乱れた。原因は、一つには攻めに出るほかはなくなったこと、もう一つは長旅の疲れで体調がよくなかったことだ。
横一線の浅いラインになった守備の裏側をついて日本は2点を加えた。後半38分の2点目は、第2線から走り出た山瀬功治に大久保がいいパスを出した。交代出場した幡戸がオフサイド気味の位置にいて「おとり」になっていた。43分の3点目は、幡戸がヘディングで落とし、これも後方から走り出た山瀬が決めた。
相手の守りの変化をすかさずついた攻めだった。これが、選手の好判断によるものか、岡田監督の狙い通りだったのかは分からない。ともあれ、いい形で点を取れたのはよかった。
ボスニア・ヘルツェゴビナは旧ユーゴスラビアの共和国の一つである。「東欧のブラジル」といわれた技巧派の国の選手たちに比べて、日本選手はテクニックも戦術的判断力も上だった。日本のサッカーのレベルも上がったものだと古いサッカー記者としては、ちょっと感慨があった。
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