サッカー日誌 / 2016年08月29日


ドーピングとリオ五輪(上)


IOCと競技団体の権限

IOC臨時理事会
(7月24日、電話会議) 

★ロシア陸上は参加禁止
 リオデジャネイロ・オリンピックの前に、ドーピングが大きな問題になった。
 過去の大会で、ロシアの選手たちがドーピングをしていたことが公表されたからである。
 ドーピングは、競技力を向上させるために特殊な薬剤を使うことである。
 まず、ロシアの陸上競技選手が摘発され、国際陸上競技連盟は、ロシア陸上競技連盟を資格停止処分にした。
 そのため、ロシアの陸上競技選手は、リオデジャネイロ・オリンピックに参加できなかった。
 ロシアのドーピングは、国ぐるみの大がかりなもので、陸上競技だけでなく、ほかの多くのスポーツでも行われていたことが明らかになった。
 そこで、陸上競技だけでなく、ロシアのオリンピック参加を全面的に禁止すべきだという声が出た。

★IOCの三つの条件
 IOC(国際オリンピック委員会)は、電話による緊急理事会を開いた。
 IOCの結論は、こうだった。
 ①過去にドーピングで処分を受けた選手は、処罰の期間が終わっていても、オリンピック参加を認めない。
 ②国内の検査機関による潔白証明では不十分。国際的な機関による検査が必要。
 ③個々の選手の参加資格認定は、それぞれの国際競技連盟の判断に委ねる。
 このうち、①の「処罰期間が終わっても、オリンピック参加は認めない」という項目は、きびしい。
 一度、ドーピング検査に引っかかったら、永久にオリンピクには出られないことになる。
 それを、既往(過去)に遡って適用するのには、法理論上の問題もあるのではないか?

★競技団体の仕事
 ②の「国際的な機関による検査を受ける」ことは、選手個人にとっては、たいへんなように思える。
 しかし、オリンピックに出場するようなレベルの選手は、毎年、世界選手権などの国際競技会に参加して、ドーピング検査を受けているので、それほど難しい問題ではない。
 ③の「参加資格認定を、それぞれの国際競技連盟の判断に委ねる」という決定に対しては、マスコミで厳しい批判が伝えられた。
 「IOCが、ロシアの参加を全面的に禁止しなかったのは、ロシア政府の圧力に屈したのではないか」という意見である。
 この批判は、見当違いだ。
 個々の選手の参加資格を決めるのは、もともと競技団体(国際陸連など)の権限である。
 IOCは、オリンピック参加資格の大枠を決めて、あとは競技団体に任せた。
 この措置は当然である。


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