サッカー日誌 / 2009年05月13日


浦和対川崎、ゴールは全部異文化育ち


J1第11節 浦和レッズ 2対3 川崎フロンターレ
(5月10日 埼玉スタジアム2002)

★連戦の疲労に暑さが加わる
 Jリーグ第11節第2日、快晴。ワイド版ゴールデンウイーク最後の日である。アジア・チャンピオン・リーグ(ACL)に出場している4チームがからむ4試合が行われた。4チームにとっては、この3週間余に7試合の強行日程の最後である。鹿島、ガンバ大阪、川崎は勝ち、名古屋は引き分けた。とくに鹿島は「地獄の23日間」を5勝2分けで乗りきった。オリベイラ監督のチーム管理と用兵の成功である。
 川崎フロンターレは、浦和レッズの2度のリードに追いつき逆転勝ちした。埼玉スタジアムは気温29.3度。連戦の疲労に暑さが加わった。
 後半に選手たちの疲れがどっとでたようだったが、先に足が止まったのは、ACLの試合がなかった浦和のほうだった。浦和は首位争いから1歩後退し、川崎は上位進出への足がかりをつかんだ。

★アシストも退場も異文化がらみ
 厳しい対決の中で双方合わせて5点を生んだのは、みな異国文化のなかで育った選手だった。浦和の1点目はエジミウソン、川崎の最初の同点はジュニーニョ、浦和の2点目は闘莉王、川崎の再同点はレナチーニョ。みなブラジル育ちである。
 後半31分の決勝点は鄭大世(チョン・テセ)。愛知県生まれの日本育ちだが、家庭内では母国朝鮮の文化のなかで育っただろう。
 アシストも浦和2点目の阿部以外は異文化育ちだった。川崎の2点目はPKだが、そのもとになったのはジュニーニョのドリブルに対する闘莉王の反則だった。
 この反則は、ペナルティ・エリアに入るか入らないかのぎりぎりの場所だった。これをきっかけに荒れ模様となった。後半44分に川崎のヴィトール・ジュニオールが主審に抗議して立て続けに警告を受けて退場になった。

★連戦を戦い抜くための要素
 タイムアップの笛が鳴ったあと、双方の選手が整列するときに、まず浦和の闘莉王が、続いてゴールキーパーの都筑が主審に文句を言った。繰り返し文句をつけた都筑に、西村雄一主審は、試合終了後ではあるが、イエローカードを出した。「やっと日本人が登場した」というところだが、見方によっては、都筑は闘莉王の「身代わり」である。
 人間、疲れ果てると「本性」が出る。体力が衰えたところで気力も衰えるのが日本文化育ち、闘争心むきだしになるのが異文化育ち、といったら「こじつけ」にすぎるだろうか?
 過密日程を戦い抜くために考えなければならない要素はいろいろある。選手層の厚さ、選手の体調管理、試合のスタイル、監督の用兵方針などなど……。
 そのなかに選手たちの育った文化の違いも含まれるのではないかと、浦和対川崎の試合を見て、ちらっと頭をかすめた。


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