サッカー日誌 / 2016年12月24日


2020年東京五輪の3施設(中)


水泳競技場の観客席縮小

都・政府・IOC三者協議会
(11月29日・東京)

★もとの計画が過大
 2020年東京オリンピックの施設建設で三つの会場を、東京都の小池知事が問題にした。
 そのうち、東京湾の埋立地に建設する予定の屋内水泳競技場(アクアティクス・センター)は、観客席の2万人収容を1万5千人収容に減らすことになった。
 当然である。
 もともと、2万人収容の計画が過大だった。
 オリンピックでは、水泳は会期前半の主要イベントである。だから、2万人のお客さんが来て、それだけの入場料収入があがると想定していたのだろう。
 しかし、現代のオリンピックでは、大多数の人びとは、テレビで競技を見る。
 また、主要な収入源は、入場料ではなくスポンサー料とテレビ放送権料である。
 したがって、観客席の規模は、それほど重要ではない。

★五輪後の利用
 施設について重要なのは、オリンピック後の利用である。
 2万人収容の観客席が、オリンピックのあと、水泳競技会で必要だとは考えられない。
 1万5千人でも、大き過ぎる
 オリンピックの後の利用のためには、常設2千人前後、仮設を含めて3千人程度の収容能力を持つ「屋内プール」が適当ではないか?
 巨大な施設を作っても、オリンピックの後では、使用料が高くなって、水泳では維持できないだろう。
 ロック・コンサートなど、スポーツ以外の、収益力のあるイベントの会場になる可能性が高い。
 コンサート会場建設に反対するわけではないが、オリンピックでコンサート会場建設を推進することはない。

★代々木を使えないのか?
 屋内プールとして使える東京都内の施設としては、国立代々木競技場がある。1964年の東京オリンピックで競泳会場だった大型体育館である。
 2020年大会でも、ここを水泳会場にすべきだと思う。
 問題の一つは、観客席が5千人程度であることだ。
 オリンピックで要求されている2万人には、ほど遠い。
 しかし、2万人の要求が、そもそも現実的ではない。
 現在の計画では、国立代々木競技場はハンドボール会場に予定されている。
 ハンドボール協会は、水泳競技会場の変更で、代々木競技場から追い出されることに抵抗している。
 しかし、オリンピック後に、代々木競技場がハンドボールで優先的に使えるようになるとは思えない。
 ハンドボール協会は、オリンピック後のことを考えた中規模の施設要求を考えるべきである。


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