サッカー日誌 / 2016年08月08日


都知事選挙とオリンピック(中)


コンパクト五輪は難しい

野球・ソフトなどを追加
(8月3日、IOC総会) 

★選挙公報で調べると
 東京都知事選挙には、21人が立候補した。
 その21人の公約を選挙公報で調べてみた。
 選挙公報の中で「オリンピック」に触れていたのは13人である。
 当選すれば、新知事の任期中に2020年東京オリンピックの準備がある。
 それは、東京都政に大きな関係があるはずである、
 にもかかわらず、立候補者のなかで、オリンピックを取り上げたのは6割にすぎなかった。
 しかも、その中で、半数以上の7人は、コスト削減や中止(返上)を求める批判的立場である。
 「東京大会を成功させよう」と呼びかけているのは、批判的立場の人を含めて6人にすぎない。
 オリンピックは、選挙の争点にはならなかったようである。

★コンパクトとは?
 都知事選挙の公報でオリンピックを取り上げた候補者のほとんどは「コンパクトなオリンピックを」と主張していた。
 2020年の東京開催は、すでに決まっているのだから、いまさら返上や中止はできない。できるだけ小規模なものにして、都民の税金からの支出を減らそうという趣旨である。
 「コンパクトなオリンピック」とは、どういうものなのだろうか?
 実施する競技種目数は、決まっていた。それにさらに、日本の要望で野球・ソフトボールなど5競技18種目が追加された。コンパクトにするどころか、巨大化する一方である。
 競技種目数が増えれば、必要な競技施設数も増える。
 したがって「コンパクトなオリンピック」にするには、運営費をコンパクトにするほかはない。
 運営費を削減するには、どうすればいいのか?

★仮設の施設と観客席
 運営費の大きな項目の一つは、仮設施設である。
 仮設施設には2種類ある。
 一つは、スタジアム、体育館、プールなどを一時的に作って、大会後に取り壊す施設である。
 東京には、体育館もプールもたくさんあるので、仮設施設を作る必要はないように思えるが、競技施設の配置をコンパクトにして、半径8キロ以内に収めようとすれば、その範囲にない施設は仮設にするほかはない。
 もう一つの仮設施設は観客席である。
 多くの体育館やプールの観客席は収容2000人程度である。
 ところが、オリンピックでは、5000人~1万人の観客席を要求される。
 そんな大きな体育館やプールは、大会後には必要ないから、オリンピックのときだけ、観客席を仮設で増設する。
 というわけで「コンパクトなオリンピック」は、それなりにムダな経費が掛かる。運営費削減も難しい。


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