サッカー日誌 / 2016年01月02日


新国立競技場、今後の問題(7)


日本のスポーツの未来像

設計・施工案を最終決定
(12月22日・関係閣僚会議)
「未来へ手渡す会シンポ」
(12月23日・東京信濃町)

★「作らない」という選択肢
 「神宮外苑と国立競技場を未来へ手渡す会」のシンポジウムの最後にフロアから次のような質問が出た。
 「新国立競技場を作らないことはできないのか?」
 東京オリンピックのために神宮外苑にスタジアムを作らなければならない。
 作れば、神宮の景観と環境が損なわれる。
 神宮外苑にスタジアムを作らないで、東京オリンピックを開くことはできないのか?
 そういう趣旨の質問だったのだろうと思う。
 この質問に対する回答を、ぼくはすでに、このブログに書いている。
 東京オリンピックの陸上競技は、東京都調布市の「味の素スタジアム」で行う。
 開閉会式は、後楽園の屋内ドームで行う。
 そういう案である。

★「牛木案」採用の可能性は?
 国立競技場の跡地は空き地のままにしておいて、将来、都市公園にするか、スポーツセンターにするかの検討は、東京オリンピックの後まで、時間をかけて議論する。
 調布の味の素スタジアムに、仮設スタンドを増設する必要があるが、2019年ラグビー・ワールドカップの開幕試合でこのスタジアムを使うことになっている。スタンド増設は、一石二鳥である。
 オリンピックのための工費は、大きく節約できる。
 技術的には、今からでも、じゅうぶん、間に合う。
 工費についても工期についても、まったく問題がない。
 しかし、この合理的な「牛木案」が採用される見込みは、ない。
 なぜなら、東京オリンピックを神宮外苑を中心に行うことが、大前提として、日本のスポーツ界や文部科学省、東京都の関係者の頭にこびりついているからである。

★陸上競技センターに
 「牛木案」は日本のスポーツの未来像と結びついている。 調布市の「味の素スタジアム」を、東京オリンピックのときに陸上競技場として使うだけでなく、オリンピック後に 「陸上競技センター」として残そうというアイデアだからである。
  オリンピック後も、陸上競技のいろいろな国際、国内競技会を、調布市の味の素スタジアムで行なう。
 陸上競技の常設トレーニングセンターとして、指導者を配置し、合宿所を設ける。
 ほかのスポーツでも、同じような未来図を考える。
 そういう構想である。
 シンポジウムで「新国立競技場を作らないことはできないのか?」という質問が出たので、ぼくは、すぐ手を挙げて、以上のような「牛木案」を説明しようとした。
 ところが、会場借用の時間が切れて、シンポジウムが打ち切られてしまった。
(この項終わり)

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