サッカー日誌 / 2015年02月15日


アギーレ解任と協会の責任


「お手盛り」の幕引きでいいのか?
(2月12日 日本サッカー協会理事会)

★なぜ給与を「自主返納」?
 日本サッカー協会は、代表チームのアギーレ監督解任について、大仁邦弥会長など協会幹部の責任は問わないことを理事会で決めた。その上で、幹部が給与の一部を自主的に返納することになった。この決定を大仁会長自身が発表した。
 この措置は分かりにくい。
 協会に責任があるかないかを、協会理事会が調べて決定するのは「お手盛り」ではないか?
 自己批判して反省するのならともかく、外部から批判されている責任を身内だけで審議して「白」だといって通るのだろうか?
 責任はないとしながら、会長らの給与を「自主返納」するのは、なぜだろうか?
 責任がないのなら、自ら「罰金」を払うのはおかしいではないか?

★「組織の長」の責任
 アギーレ解任をめぐる大仁会長の対応はよかった。
 ぼくは、そう評価している。
 アジアカップの終了を待ち、スペイン司法当局の対応を見極めた上で「今後の代表チーム運営に支障が出る」という理由で、契約を円満に解除した。
 常識的な「おとなの対応」だったと思う。
 しかし、責任のとり方については理解に苦しむ。
 アギーレ監督の八百長疑惑を、契約前に知ることは困難だっただろう。だから「疑惑」を予想できなかったことを追及する気持ちはない。
 しかし、一般的にいって、組織の長は結果について責任をとる立場である。
 いろいろな事情はあったにせよ、アギーレ監督との契約が失敗だったという「結果」は、担当役員とともに大仁会長の責任である。

★契約の経緯と考えは?
 その責任を給料の「自主返納」という形でとって幕引きを図ったのは理解に苦しむ。
 金銭的な問題ではない。
 「お金を返せばいい」という性質のものではない。
 大仁会長が辞任すべきだとは思わないが、アギーレ監督と交渉し契約したときの経緯を明らかにし、結果として契約が失敗だった責任を、はっきり認めるべきだと思う。
 ブラジル・ワールドカップで日本代表が敗退し、ザッケローニ監督の退任が決まったときから、ぼくは後任の人選を急ぐべきはない、という考えだった。
 まず、日本人の監督を検討すべきだと主張していた。
 ザッケローニのあとも、今回のアギーレのあとも、なぜ、外国人探しを急いだのだろうか?
 代表監督探しの方針に問題があるのではないか。
 そうであれば、これこそ協会の責任である。

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