ワールドカップ12大会取材のサッカージャーナリストのブログ
牛木素吉郎のビバ!スポーツ時評
サッカー日誌 / 2012年08月04日
男子第3戦 関塚監督の大胆な用兵
ロンドン五輪テレビ観戦記(6)
男子D組 日本 0-0 ホンジュラス
(8月1日 コベントリー:NHK-BS)
★準々決勝に備え主力温存
男子の第3戦で、関塚隆監督は先発メンバーを前の試合から5人入れ替えた。
オリンピックの登録選手数は18人である。ゴールキーパーを除くと予備メンバーは6人しかいない。第1戦で1人、ケガをしているので最大限の入れ替えである。
第2戦が終わった時点で、すでにベスト8進出が決定していた。だから、第3戦で必勝を期さなければならないわけではない。
次の準々決勝に備えて主力の体力を温存し、さらに控えメンバーにオリンピックの雰囲気を体験させる意味がある。
「なでしこJapan」も第3戦で、先発をゴールキーパーを含め最大限の7人入れ替えた。ただし、女子の場合は、ベスト8が決まっていただけでなく、次の対戦相手を考えて、グループ2位で終わりたいという思惑もあった。
男子の関塚監督の立場は違う。
★メンバーを落として1位狙い
男子の場合は、グループ1位でベスト8に進出するのが望ましかった。2位だと準々決勝の相手が、優勝候補のブラジルになるからである。第3戦を引き分けても1位になるのだが、敗れると2位になる。一方のホンジュラスは、敗れるとモロッコ対スペインの結果によっては失格する。
つまり、日本は引き分け以上を狙う必要があり、ホンジュラスは引き分けが絶対に必要だった。
攻めに出てくるであろう相手に、メンバーを落として、なおかつ1位を狙おうとするのは、かなり大胆な用兵である。
結果として関塚用兵は成功した。日本はグループ1位で進出し、準々決勝の相手はエジプトになった。
「なでしこJapan」の場合とくらべると、準々決勝の相手を選ぼうという狙いは同じだが、1位をめざしたのは「2位狙い」だった女子とは違う。
ただし、最後は双方とも「引き分け狙い」のようにみえた。
★吉田麻也が殊勲者
とはいえ「負け」のリスクを冒して主力を休ませながらグループ1位を狙ったのは、メダルをめざしての大胆な賭けだった。準々決勝で勝負してベスト4に出なければ「メダル」の可能性はないからである。関塚ジャパンは、最善を尽くした戦いでグループリーグを1位で突破した。
オーバーエージ枠で守りを補強したのが正解だった。3試合で失点0である。センターバックのリーダー、吉田麻也がグループリーグの殊勲者である。
攻めは2点に留まった。第1戦、スペインとの試合ではコーナーキックからの1点。第2戦、モロッコとの試合では、逆襲速攻からの永井謙佑の1点である。
男女のグループリーグを通じて思ったのは、世界の各地域のレベルが上がっていることである。男子D組では中米のホンジュラスとアフリカのモロッコが優勝候補のスペインに善戦し、スペインはグループ最下位になった。
男子D組 日本 0-0 ホンジュラス
(8月1日 コベントリー:NHK-BS)
★準々決勝に備え主力温存
男子の第3戦で、関塚隆監督は先発メンバーを前の試合から5人入れ替えた。
オリンピックの登録選手数は18人である。ゴールキーパーを除くと予備メンバーは6人しかいない。第1戦で1人、ケガをしているので最大限の入れ替えである。
第2戦が終わった時点で、すでにベスト8進出が決定していた。だから、第3戦で必勝を期さなければならないわけではない。
次の準々決勝に備えて主力の体力を温存し、さらに控えメンバーにオリンピックの雰囲気を体験させる意味がある。
「なでしこJapan」も第3戦で、先発をゴールキーパーを含め最大限の7人入れ替えた。ただし、女子の場合は、ベスト8が決まっていただけでなく、次の対戦相手を考えて、グループ2位で終わりたいという思惑もあった。
男子の関塚監督の立場は違う。
★メンバーを落として1位狙い
男子の場合は、グループ1位でベスト8に進出するのが望ましかった。2位だと準々決勝の相手が、優勝候補のブラジルになるからである。第3戦を引き分けても1位になるのだが、敗れると2位になる。一方のホンジュラスは、敗れるとモロッコ対スペインの結果によっては失格する。
つまり、日本は引き分け以上を狙う必要があり、ホンジュラスは引き分けが絶対に必要だった。
攻めに出てくるであろう相手に、メンバーを落として、なおかつ1位を狙おうとするのは、かなり大胆な用兵である。
結果として関塚用兵は成功した。日本はグループ1位で進出し、準々決勝の相手はエジプトになった。
「なでしこJapan」の場合とくらべると、準々決勝の相手を選ぼうという狙いは同じだが、1位をめざしたのは「2位狙い」だった女子とは違う。
ただし、最後は双方とも「引き分け狙い」のようにみえた。
★吉田麻也が殊勲者
とはいえ「負け」のリスクを冒して主力を休ませながらグループ1位を狙ったのは、メダルをめざしての大胆な賭けだった。準々決勝で勝負してベスト4に出なければ「メダル」の可能性はないからである。関塚ジャパンは、最善を尽くした戦いでグループリーグを1位で突破した。
オーバーエージ枠で守りを補強したのが正解だった。3試合で失点0である。センターバックのリーダー、吉田麻也がグループリーグの殊勲者である。
攻めは2点に留まった。第1戦、スペインとの試合ではコーナーキックからの1点。第2戦、モロッコとの試合では、逆襲速攻からの永井謙佑の1点である。
男女のグループリーグを通じて思ったのは、世界の各地域のレベルが上がっていることである。男子D組では中米のホンジュラスとアフリカのモロッコが優勝候補のスペインに善戦し、スペインはグループ最下位になった。
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