サッカー日誌 / 2012年06月22日


Jリーグ・クラブの運営


松本育夫さんに聞く
ビバ!サッカー研究会6月例会
(6月15日 東中野テラハウス)

★メキシコの銅メダリスト
 ビバ!サッカー研究会の6月例会には、元サガン鳥栖監督の松本育夫さんに来ていただいた。1968年メキシコ・オリンピックの銅メダリストである。あの当時、サッカー記者は少なかった。みな選手たちと仲間として、あるいは先輩として付き合っていた。ぼくも、当時の選手たちと親しくしてもらっている。だから、ボランティアの集まりであるぼくの「研究会」にも来ていただけたのである。
 松本育夫さんには、ぼくが主宰しているもう一つの集まり「日本サッカー史研究会」の3月例会に来ていただいた。そのときのお話が非常に有益だったので「もっと多くの人に聞いてもらうべきだ」という声が仲間の間で起き「ビバ研」にも来ていただいたわけである。
 むかしのよしみに甘えてはいけないので「仏の顔は3度だが、牛木の顔は1度だけ」と言っているのだが、松本育夫さんには「2度目」のお願いをして聞きいれていただいた。

★『人の心に火をつける』
 今回のテーマは「Jリーグ・クラブの経営」だった。
 Jリーグ・クラブの経営には、いろいろ難しい問題がある。
 地方と都会地のクラブの違い、大企業の背景がないクラブの経営、親会社から出向してくるサッカーを知らない経営者などである。こういう問題について、松本育夫さんは90分にわたって熱弁をふるった。
 「サッカーを知らない経営者ではうまくいかない」「監督の任期は3年が適当」「チーム作りは監督ではなくクラブの責任」など育夫さんの考えは多くの分野にわたっている。
 松本育夫さんには、すでにいくつも著書があるので、そのお考えについては、これらの著書を読んでいただきたい。最新の著書は『人の心に火をつける』(2012年6月、株式会社カンゼン)である。

★チームはクラブが作る
 この本のなかに「チームは監督でなくクラブが責任を持って作るもの」という項目がある。チームの成績が悪いと監督の責任にされることが多い。しかし、選手を集め契約するのはクラブであり、監督を選んで契約するのもクラブである。その責任者がゼネラル・マネジャー、あるいは強化部長である。監督をクビにするのならゼネラル・マネジャー、あるいは強化部長にも責任をとってもらわなくてはならない。
 一方でクラブ経営の財政面もある。これは社長あるいは総務部長の仕事だろう。この点についての松本育夫さんの考えの軸は「サポーターを大事に」である。選手たちは誰から報酬を得ているのか? お金を払って応援してくれているサポーターから給料をもらっているのだ。そういう考えを選手に徹底させたという。
 社長も、ゼネラル・マネジャーも監督も経験した松本育夫の言葉には重みがある。

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