サッカー日誌 / 2012年03月07日


「澤穂希抜き」で米国から初勝利


アルガルベ杯B組リーグ第3戦
女子日本代表 1-0 女子米国代表
(3月5日 ポルトガル・ファロ=フジテレビ)

★強化と普及のユニークな大会
 女子サッカーのアルガルベ杯は、ポルトガル南部のアルガルベ地方で、毎年2月~3月に行われているユニークな国際大会である。
 12チームを4チームずつ、3グループに分けて総当たり戦をする。A組とB組は世界のトップレベルの国である。C組は地元のポルトガルを含め比較的、弱い国を招いている。A組とB組では強いチームが磨き合う。C組では低いレベルのチームが国際試合の経験を積む。
 次の段階では、A組とB組の1位同士、2位同士、3位同士が対戦して順位を決める。
 C組の1位と2位は、A組とB組で最下位になったチームと対戦して、上のレベルのチームを相手に腕を試す機会が与えられる。C組の3位と4位はもう一度対戦する。
 同じレベル同士のリーグで競い合って女子サッカーのレベル向上に役立て、低いレベルの国にもチャンスを与える。強化と普及のための大会である。

★澤は病気で「お休み」
 「なでしこフィーバー」のおかげで、2012年大会を民放テレビが中継した。
 B組リーグの最終戦は日本対米国。前年の女子ワールドカップ決勝戦の再現である。
 夜の11時からの生中継のチャンネルをいれたら、いきなり「澤穂希はベンチにも入っていません」というアナウンスがあった。体調を崩してホテルにいるという。
 びっくりはしたが「これは、いい機会だ」と思った。
 「なでしこJapan」は、これまで主将の澤のリーダーシップで勝ち続けてきた。しかし、澤がケガなどで使えないこともあり得る。7月のオリンピックを前に、強い相手に「澤抜き」の試合を試してみたいところだった。アルガルベ杯は「澤抜き」を試みるいい機会だったのだが、日本へのテレビ中継があるとなると、スター選手をはずすのは難しい。
 しかし、病気であればやむを得ない。テレビ局も納得するほかはない。

★五輪への希望が膨らむ
 佐々木則夫監督は、この大会で「主将」の腕章を澤ではなく、宮間あやに渡した。[脱澤穂希]を想定しているのではないか、とぼくは憶測していた。
 結果は、どうだったか。
 後半39分のコーナーキックからの1点で日本が勝った。前年のワールドカップ決勝は、PK戦の結果だった。「サッカーの勝負」では米国に26戦目での初勝利である。実力世界一といわれる米国に勝ったことだけでも、すばらしい。
 内容について言えば、前半30分ごろまでの「なでしこ」の試合ぶりは非常によかった。「澤抜き」のあとを埋めた阪口夢穂、田中明日菜のボランチ・コンビが役割を果たした。宮間からのパスは、ワンタッチで味方に渡った。パスをつなぐ攻めが機能していた。
 ロンドン・オリンピックへの希望が膨らんだ試合だった。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
     

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.