サッカー日誌 / 2009年10月31日


W杯準備の10月シリーズ(5)


低く速いクロスは通用するか
日本6-0香港(得点者:岡崎3、長友、中澤、闘莉王)
日本2-0スコットランド(得点者:オウンゴール、本田)
日本5-0トーゴ(得点者:岡崎3、森本、本田)

★岡田監督の狙い通り
 ワールドカップ本番8ヵ月前の「10月シリーズ」で、岡田監督は「低く、速いクロスによる攻め」を強調した。
 高いボールをゴール前にあげても、なかなか得点には結びつかない。本番では、相手のディフェンダーは背が高く頑強なことが多いだろうから、なおさらである。
 すばやい攻め込みから、低いパスをゴール前へ通す。そこへ走りこんだ味方がワンタッチで蹴りこむ。そういう攻めが日本に向いているという考えである。
 岡崎慎司が第1戦と第3戦で計6点をあげた。そのうち5点は、ゴール前へ走りこむ岡崎へ低く、速いパスが合ったものだった。中盤後方の長谷部、遠藤からのパスに合わせて3ゴール。サイドに食い込んだ徳永、中村憲剛からのクロスに合わせて2ゴール。
 岡田監督の狙い通りである。

★強い相手に試みる機会を
 本番のワールドカップでも、この低く速いパスが通用するだろうか?
 今回の3連戦では、中盤あるいはサイドに攻め上がったプレーヤーが、ほとんどフリーになって、ゴール前へパスを出すことができた。しかし、強い相手との公式戦では、はるかに厳しい守りでプレスをかけられるだろうから、今回のようにうまくいくとは考えられない。
 とはいえ、弱い相手にできないようでは、強い相手には絶対に通用しない。だから、今回の試みは十分に意味があった。パスの受け手として岡崎の急成長を確かめられたのは大きな収穫だったと思う。
 次の課題は、翌年の6月までに強い相手との強化試合で、この攻めを確かめる機会を持つことである。

★攻めの多様化も必要
 選手たちは、岡田監督の狙いを理解して、実行しようとしているように見えた。試合の立ち上がりは、コーナーに食い込んで「低く、速いクロス」による攻めを狙おうと努めていたからである。しかし、興味深いことに、試合が進むにつれて、中盤のプレーヤーが状況に応じた攻めを組み立てるようになった。
 「それでいい」と思う。「低く速いクロス」は攻め方の一つであって万能ではない。相手によって、状況によって、選手たちは自分の判断で攻めを組み立てなければならない。そのためには、いろいろな攻め方の選択肢を持っていなければならない。
 そう考えると、第3戦の前半11分に森本貴幸の「個の力に」によるゴールが生まれたのはよかった。これは新しい選択肢である。
 個性的なプレーヤーを生かして、多様な攻めの選択肢を持つことが必要である。

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