サッカー日誌 / 2008年08月15日


「反町ジャパン」敗退の根本的な理由


北京五輪サッカー、テレビ観戦記(6)
男子第3戦 日本 0対1 オランダ
8月13日・瀋陽

★監督優先は世界には通じない
 「反町ジャパン」という呼び方に反対する意見がある。監督の名前に英語の国名をつけるのは「もともとラグビーの真似」だからというのだが、「反町ジャパン」に関しては、ぴったりの呼称ではないかと、ぼくは思っていた。
 「日本人にあったサッカーはこうあるべきだ」という考えが監督にあり、それにそってチーム作りをするからである。極端に言えば監督のが考え先にあり、それにチームが続くわけである。
 「そういうチーム作りでアジアでは勝てる。しかし、世界の強い相手には通じない」と、ぼくは考えていた。そう書いたこともある。
 今回のオリンピックの結果は、ぼくの予想通りになった。
 アジア予選では勝ったが、オリンピックの本番では3戦全敗で敗退した。
 
★勝つためには現実から出発を
 勝つためには理念を追うよりも現実から出発しなければならない。「現在の日本には、こういういい選手がいるから、その選手を生かせるチームを作る」という考え方である。
 1960年代に日本を指導したクラマーさんのやり方がそうだった。八重樫茂生の才能を見抜いて、八重樫を核にチームを作ることを考えた。1964年に釜本邦茂が登場すると、杉山-釜本を武器にした。それが1968年メキシコ・オリンピックの銅メダルになった。こういう事情は中条一雄著『デットマール・クラマー、日本サッカー改革論』(ベースボール・マガジン社刊)を読めば分かる。
 ただし「オリンピックでメダルをとる必要はない。サッカーはU-23の大会なのだから、若手育成の場であればいい」と考えるのなら、話は別である。そうであれば、経験を積ませるために、将来性のある若手だけでチームを作るのも、一つの考えである。
 
★PKをとられて敗戦は当然
 男子サッカーの第3戦は、7日間に3試合の連戦で、双方に疲れが目立ち、いい試合にはならなかった。日本はすでにグループリーグ敗退が決まっている立ち場だったが、オランダはベスト8進出がかかっていたにもかかわらず元気がなかった。
 結果は後半28分のPKで決まった。
 ペナルティエリアの中で、本田圭佑が相手のドリブルを止めようと併走しながら左腕を伸ばして、相手の胸のあたりのシャツをつかんで引っ張っり倒した。その映像が、ビデオで繰り返し映った。NHKテレビの解説者が「本田は相手よりも前に出ているから反則ではない」と妙な解説をしていたが、とんでもない。
 テレビで見たところでは、非紳士的な反則による得点機会阻止で、退場になってもおかしくない場面だった。こんなレベルでサッカーを論じているようでは、世界では勝てない。

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