サッカー日誌 / 2008年02月08日


快勝を高く評価できるか?


岡田ニッポン、W杯への初戦(上)

W杯アジア3次予選
日本代表 4対1 タイ代表
(2月6日・埼玉スタジアム)

★結果はよかった
 岡田武史監督のワールドカップへの初戦は、のちになって、どのように思い出されるだろうか。
 勝ち点3という結果は、もちろん記録に残る。内容よりも結果が求められる公式戦である。いいスタートだったことは確かである。
 埼玉スタジアムの空から降りつづけた雪を、たぶん忘れないだろう。大屋根の内側に静かにおりてくる白い小雪の底で熱い戦いが続いた。暑い国から来たタイの若者たちの健闘が印象的だった。
 岡田監督の用兵と指揮が、よい思い出になるかどうかは、少なくとも3次予選が終わってみなくては分からない。岡田監督は、この試合に勝たなければならないと同時に、今後につながる試合をしなければならない立ち場だった。
 
★準備と用兵はよかった
 結果がよかっただけでなく、岡田監督の試合への準備と試合中の用兵も合格点だった。
 オシム監督が病に倒れたあとを受けて、オシム監督のチームの幹を残しながら、少しづつ自分の枝を挿し木した。
 大久保嘉人を復帰させてトップ下に使うことを試み、山瀬功治を活用して新しい攻め方を加えた。若い内田篤人の登用もまずまずだった。それぞれ試合で役割を果たした。
 セットプレーからの得点を狙い、2日間の非公開練習で徹底的に練習させた。4得点のうち2点がフリーキックから、1点がコーナーキックからだった。タイの守りを破るために効果的な準備だった。
 選手交代も成功した。クロスの精度が低いので「ゴール前に目標がないからではないか」と長身の巻誠一郎を入れたら、ヘディングの得点が生まれた。
 
★タイには三つの不運
 タイには不運が重なった。逆にいえば岡田監督は幸運にめぐまれた。
 タイの不運の第一は、選手が揃わなかったことである。ベストの顔ぶれのなかから、7人が抜けたという。4人が警告累積で出場停止だった。マンチェスター・シティに行っている3人は呼び戻せなかった。2人は直前にけがをした。
 タイの不運の第二は天候である。南国の選手たちが、寒さや雪にびっくりしたのは、もちろんだ。そのうえ、降り続く粉雪がとけて芝生が濡れ、パスのボールが速く走った。タイでも雨は多いが、芝生が深いので、ボールの走りが速くなることはないという。
 そして第三に、後半18分に2枚目の警告で退場者が出たことだ。反則を重ねたのだから不運とはいえないが、誤算ではあっただろう。
 日本快勝の評価は、タイの不運を割り引いて考えなければ、なるまい。
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
     

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.