サッカー日誌 / 2007年11月12日


ワールドカップをもう一度?


11月8日、協会が招致検討委を設置

◆日本へくる可能性は乏しい
 日本サッカー協会が理事会で「ワールドカップ招致検討委員会」を作った。「夢よ、もう一度」というわけである。
「手を挙げるぞ」というゼスチュアである。だけど、実際には、近い将来、日本で開催できる見通しは、ほとんどない。
 次の2010年は南アフリカである。その4年後の2014年はブラジルに決まったので、いちばん近い機会は2018年だ。
 アフリカ、南米と続くので「その次は欧州」と考えるのがふつうだろう。その次の2022年は、いまから15年先である。そのときアジアの順番になるかどうか。「地域持ち回りはやめる」というのがFIFAの新方針ではあるが、まだ開催したことのない地域や国が優先される可能性はある。

◆アジアなら中国が有力
 仮にアジアの順番になったとしても、そのときは中国が立候補する可能性が強い。
 中国は来年、北京オリンピックを開く。「次はワールドカップだ」と考えるだろう。オリンピックのあとにワールドカップを開いて成功した例としては、1970年のメキシコ、1974年の西ドイツがある。
 日本と中国がともに立候補すれば、2002年の場合のようにアジア同士で争うことになる。
 2002年のときは、日本に続いて韓国が立候補し、アジア同士の対決で、結局、ケンカ両成敗の共催になった。しかし、日本と中国の場合は、特別の事情がない限り、世界は初開催になる中国を支持するだろう。
 日本が立候補の意思を示すのはいい。しかし、中国と争うことになったら、日本は引き下がって、中国に協力するのが、いろいろな面で得策だと思う。

◆代替開催なら可能性も
 とはいえ、招致を検討するのは悪くない。立候補の意向があることを示しておかないと、中国が立候補する場合に「恩を売る」こともできない。
 FIFAに対しても、ゆさぶりをかけたほうがいい。2002年のときは無理やり、前例のない2カ国共催にさせられた。「あの借りを返せ」ということができる。
 しかし、間違っても「ぜひ、やらせてください」と懇願するようなことはすべきでない。「開催地がなくて困ったときには助けてやるよ」と強気で取り引きすべきである。
 次の南アフリカが、開催困難になるというウワサもある。南アフリカでなくても、治安や国際情勢の影響で、開催が危うくなることはありうる。
 そういうときに、現在の日本なら緊急に代わって引き受ける能力は十分である。こっちのほうが、可能性としては濃いかもしれない。


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