AFCアジアカップ2007 / 2007年08月11日


モチベーションの低い戦い


アジアカップ2007の日本代表(1)
「モチベーションの低い戦い」

◆ベスト4で満足していいか
 東南アジア4カ国の共同開催で行われたアジアカップ2007(第14回)で、日本は4位に終わった。3回連続、4度目の優勝をめざしていたにしては「ふがいない」結果だが、オシム・ジャパンに対する批判や非難は、それほどには聞かれない。
 オシム監督の課題は「2010年ワールドカップ出場」で、アジアカップ参加は「チーム強化の過程」という考えがある。日本サッカー協会も、その周辺のマスコミの多くも、そう考えているようだ。それが厳しい批判の少ない原因に違いない。
 現地での取材から帰国して日本の新聞を見たら「ワールドカップのアジア枠が4.5であることを考えれば4位は及第点」という論評が載っていた。
 選手たちは、もちろん、優勝をめざしてがんばったに違いない。しかし、協会やマスコミが、こういう考えでは、いま一つ燃え切れないものがあったのではないか?

◆アジアのタイトルを重視しよう
 現地で各国の試合振りを見ていて考えた。「アジアカップよりもワールドカップ予選を重視するのは、間違っているのではないか?」と。
 他の国の多くは「アジアカップが、もっとも重要な大会だ」と考えて参加している。中東のサウジアラビアなどは、優勝した経験があるから、その栄光の再現を国民に期待されている。だから、アジアカップは代表チーム最高の目標である。
 東南アジアの国々はアジアNo.1の優勝を争うには力不足だから、当面の目標は東南アジア(SEA)の競技会である。しかし、アジアカップは、その上の最高の目標である。
 日本はアジアのサッカーの重要な一国だ。しかも前回のチャンピオンとして出場している。各国は日本を目標にチャレンジしてきている。そうであれば、日本代表チームは、この大会を最重要タイトルとして受けて立つべきではなかったか?

◆もっとも困難なタイトル
 日本には「なにがなんでもアジアのタイトルを守ろう」という気持ちが薄かった。日本が4位にとどまった背景には、このモチベーションの低さがあったように思う。
 これは監督や選手の責任ではない。日本サッカー協会の方針とマスコミの世論作りの問題である。
 日本が参加する大会の中で、アジアカップは、もっとも難しい大会である。
 ワールドカップ予選では、アジアで4チームあるいは5チームが出場権をかちとることができる。アジアカップのタイトルは、アジア全体で1チームしかとれない。どちらが、より困難かは明らかだ。
 その困難なタイトルを、トルシエとジーコはとった。オシムはとれなかった。この事実は、アジアのサッカーの歴史に冷たく残ることになるだろう。

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