ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




荒井履物店の四軒長屋。文京区西片2-24。1986(昭和61)年5月

言問通り(の延長)にあった看板建築にした長屋。右へいくとすぐ本郷通りとの本郷弥生交差点である。長屋の平面は右側が鋭角の細長い三角形で、荒井履物店は奥行きがない。長屋の裏手には今でも戦前築の六軒長屋が2棟向き合って残っているようなところだから、写真の長屋も戦前からあるように思っていたが、昭和22年の航空写真では写真がぼけていて確認できない。疑ってみると、戦後の建築のようにも見えてくる。
1986(昭和61)年の住宅地図では、左から「鈴木、松浦、おふくろ(居酒屋?)、荒井履物店」。現在は取り壊されて時間貸しの駐車場になっている。

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吉田屋。文京区西片2-25。1988(昭和63)年1月30日

中山道(国道17号)の本郷弥生交差点の北西角である。写真では古い商店が3棟並んでいる。戦前からの建物には見えないが、戦後の改修によるものかもしれない。店は左から、「豊田書店」、かばん修理の「吉田屋」、「石井寝具店」。
弥生散策』によると、吉田屋は昭和22年に本郷3丁目で開業、昭和56年に現在地に移ったという。本郷に店を持つ以前から軍隊に図嚢(ずのう。地図などを入れるはこ型の皮のかばん)などを納めていたらしい。吉田屋が西片に移ってくる前の昭和49年の地図では「小林洋服店」だ。
現在は豊田書店の建物が3階建てのビルに、石井寝具店が住宅に建て替わった。しかし吉田屋の特徴的な建物が変わらないので、全体の景観もあまり変わったように思えない。

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橋本家住宅。文京区西片2-8。左:1988(昭和63)年10月10日、右:2000(平成12)年5月5日

1998(平成10)年に国登録有形文化財に指定されていて、文化庁の『国指定文化財等データベース』によれば、1933(昭和8)年の建築の洋館。解説文に「木造2階建の洋館で玄関回りを除く階下をモルタル塗、階上をドイツ壁とする。見切りをとらずに仕様を変える外壁仕上げは珍しい。玄関上部バルコニー手摺りの親柱意匠も特徴的。寄棟を切り落とした袴腰型の妻面に木部を現してハーフティンバー風とする」とある。
ドイツ壁とは、モルタル塗りの表面を小さい凹凸があるように仕上げたもので、大正から昭和初期にはやったようだ。近年はほとんど行われないという。装飾的に壁の一部だけ(戸袋など)をドイツ壁にしている場合も見かける。ドイツで一般的なのかどうかは知らない。
西片町会』によると、「医学者の住居」として建てられたという。また、『歴史・文化のまちづくりニュース』には「当初は橋本医院としての併用住宅」としている。


O邸。西片2-4。2000(平成12)年5月5日

橋本家住宅から南へすぐのところにあった家。古い航空写真で見ると、母屋から南に突き出ている部分を洋館にしたように見える。『落合道人>旧山手の西片町を歩いてみる』に全体を撮った写真が載っている。

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