ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




鎌倉風月堂。神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-6。2003(平成15)年10月25日

由比ガ浜大通りの六地蔵の近くにあった洋菓子店・喫茶店。だいぶ前に廃業しているのだが建物は残っていた。それがストリートビューを見たら無くなっていて跡地はコインパーキングになっている。いかにも昭和初期のカフェーを想い起こさせる(実際には勿論、見たこともないが)デザインの正面で、なぜか自分が幼少期に戻ったような気分にさせる外観である。由比ガ浜大通りにある建物のなかでも最も好きなものだったから無くなったのは残念でならない。
ネットでの情報では、建物は1926(大正15)年の建築で、開店は1932(昭和7)年だそうだ。閉店したのは2000(平成12)年らしい。解体されたのはつい最近の2009年1月である。
『エリアガイド鎌倉』(昭文社、1995年7月)には「古風な店構えの洋菓子店。昭和7年創業で、甘さいっぱいのケーキは昔ながらの味がする。値段も150円からと安い。ティールームもあり、落ち着いた雰囲気が心地よい」と紹介されている。
シャッターが上がっていて1階の店の造りが判る写真がないものかと探してみたら、 『ピンボケきよじいの楽園日記>風月堂は昭和のかおり(2009.01.23)』というサイトが見つかった。営業時の写真ではないが実に貴重な写真で、ブログにアップしてくれた小野氏に感謝する。


上のマッチラベルは戦前、銀座にあったモナミという喫茶店のもの。中央通りの7丁目にあったが、銀座の喫茶店としてかなり有名だった店らしい。「竹川町」の町名は昭和5年3月に銀座に変更されている。電停の名前もそのときに「銀座7丁目」に変更されたのならマッチラベルも昭和5年以前のものと思われる。モナミの写真は 『daily-sumus>モナミ(2011.02.21)』というブログに、『カフェーと喫茶店』(初田亨著、INAX、1993年)から引用した写真が載っている。
大きさは異なるが外観は鎌倉風月堂と同様のデザインである。どちらかがそのデザインが気に入ってまねしたのか、店舗の図面集のような本があって、そこから選んだのか? また、建物が大正15年に建って、風月堂が開店したのが5年後の昭和7年だとすると、最初の店はどのようなものだったのだろう?

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (かみふうせん)
2014-10-15 15:48:57
初めまして
私は昭和25年当時 鎌倉第一小学校に在学してまして
この風月堂は同級生の山口さんのお店でした
当時は何度もお邪魔してお店でケーキをご馳走になったりしたのを懐かしく思い出しました
近くに薬局もありましたが 
その薬局も同級生のお店でした
子供でしたので写真を残すなど考えもしなかったのが
残念でなりません
由比ガ浜も当時の面影はすっかり消えてしまいましたね
 
 
 
>かみふうせん様 (流一)
2014-10-19 09:15:20
昭和25年というと私が小学校に上がった年です。まだ食糧事情はきびしかったと思いますが、そろそろ手作りの和菓子やケーキが出回ってきたのでしょうね。それをたびたび口にできたとは羨ましい限りです。かみふうせんさんの目にはそのころの街並みが浮かんでくるのではないですか?
 
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