ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





電通銀座ビル。中央区銀座7-4
2008(平成20)年11月5日

今は大分減ってしまったが、銀座にある戦前に建てられたビル。1933(昭和8)年竣工、設計は横川工務所、施工は大林組、RC造8階建地下2階。大震災の復興が一応なった後の建築になるためか、これという特徴のない普通の外観だ。玄関に近寄って吉祥天と広目天のレリーフに気がつけば、あれっ、となるくらいだろうか。1階の壁に(窓なのかもしれない)ガラスブロックが使われているのが珍しい。2階以上の窓はガラスが3枚の横長の形で、シカゴ窓というのだそうだ。真ん中の大きいガラスが固定で、左右の窓は上げ下げ窓。
電通はこのビルを1967年まで本社として使った。このビルを建て替えないのは、会社の出発点として、よりどころのように思っているのだろうか。建て替えてもたいして床面積は増えないと踏んでいるような気もする。

「電通」は電気通信から来ているのかとなんとなく思っていたが、「電報通信社」からだった。1901(明治34)年に光永星郎(みつながほしお)は「日本広告株式会社」という広告代理店を創業し、次いで本当はやりたかった通信社を設立、その2社を1907(明治40)年に合体して「株式会社日本電報通信社」として通信と広告の両方をやるようになったらしい。その頃は通信手段として電報が大きい地位を占めていて、無線通信も電話も軍隊が使うくらいだったのかもしれない。
現在の電通がどういう業務をしているのか、想像しがたい。広告そのものの業務はごく一部ではないかと思う。1936年、「同盟通信社」が出来て電通が広告代理業に専念するようになってから昭和30年代までなら、広告代理業がどういうものか想像が付く。新聞雑誌ラジオの広告を広告主からメディアに仲介するのだろう。今は電通のHPには「顧客と社会の持続的成長に貢献する統合ソリューションを提供」するとしている。なんでもするように聞こえる。

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