ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



(株)イクタツ。中央日本橋小網町16
1987(昭和62)年3月8日

日本橋人形町1丁目にある区立日本橋小学校の裏手にあるごく小さなビル。ビルの裏は、戦前は東堀留川があった。看板に「(株)イクタツ」とあるので建物名にしたが、その会社についてはなにもわからない。昭和10年頃の火保図では単に「倉庫」で、昭和30年頃の火保図と昭和61年の住宅地図では「KI産業(株)」。永いことそういう会社が入っていたようだが、その会社についても不明。
写真右のビルは「中食ビル」。今は「神明日本橋ビル」(2008年築、8階地下1)に建て替わっている。

2005年頃に、建築家の石川雅英氏が改装して「ArchitectS Office」として、建築設計事務所・ギャラリー・カフェにした。『ミツカン水の文化センター>機関誌『水の文化』47号』に、氏が建物について語っている。「衣料品メーカーのワコールが和江商事だった時代に、京都から東京に進出して、初めて倉庫を構えた建物ではないか」ということで、「中央区の図書館で図面を発見し、1929年(昭4)ごろに建てられたことがわかりました」「屋上には物見台があり、荷揚げ用のフックも残っています」とある。
中央区>近代建築物調査>ArchitectS Office 』には、「東堀留川の名残を伝える、建築家により再生された倉庫建築」として、「高い天井高や荷揚げ用の開口部、階段など、倉庫建築の特徴を良く残している」「東堀留川に倉庫が立ち並んでいた時代を今に伝える貴重な1棟」「建物背面に「三田商店」と同様の護岸遺構が残り、堀端を示す遺構として貴重」「往時の雰囲気を良く残しつつ、カフェやギャラリーに改装したリノベーションの好例」とある。

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コメント
 
 
 
解体 (ここなんです)
2022-02-17 02:01:10
元インタツビル、近日解体される様です。

小網町、三田商店も解体が始まっています

小網町界隈、このごろ解体が多いです。

残念ですが
 
 
 
Unknown (mokeke)
2022-11-12 14:27:55
元イクタツビル、解体されました。この後10階建のビルが建つようです。
 
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