ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




古川酒造店。茨城県東茨城郡大洗町磯浜町363。2005(平成17)年12月13日

東町商店街の古関屋前バス停から東へ50mほどのところ。ここから海側へ出れば「めんたいパーク大洗」がある。めんたいパークの開業は2009年なので、撮影時にはまだない。
古川酒造店』には、「慶応年間(1865~1868年)に天狗党の乱からも残った古い「蔵」を利用して酒造りを始めました」とある。天狗党の乱とは、幕末に起こった水戸藩の内乱で、ぼくは、吉村昭著『天狗争乱』(新潮文庫、平成9年、667円+税)を読んだが、ネットでは『天狗党の乱』が分かりやすくまとめている。とにかく1864(元治元年)に那珂湊や磯浜村(現大洗町)が戦場になって民家も焼かれた。「天狗党の乱からも残った古い蔵」とは、その当時から建っていた、という意味だろう。

写真は通りに面した店舗だが、この横と裏に主屋、離れ、窯場、作業員宿舎に蔵が6棟、ぎっしりと建ち並んでいる。「松籟(しょうらい)」という銘柄で永い間やってきたようだ。茨城、関東の品評会で何度も優等賞を獲得している。1999(平成11)年、廃業。細々と酒を造っていくだけでは、続けるのは困難なのだろうか。
2019(平成31)年、「株式会社古川酒造店」として新たに起業した。古い酒造場を生かしたロケーション撮影やイベント開催、カフェなどを計画しているようだ。めんたいパークなどに行くよりよほど面白そうである。

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