ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




永柳工業。墨田区京島1-1。2004(平成16)年1月24日(3枚とも)

京成押上線の「けた下1.9Mガード」を北に抜けたところの路地。奥へ行けば曳舟川通りで、「東部ボウル」が見えている。写真左手(西側)の工場が永柳工業。
写真右(京島1-2)に写っているのは、撮影した頃とは変わっているかもしれないが、1985年の住宅地図では「田原香油㈱の寮」、看板建築風にしたらしい建物は「やきとんまつ代」。以下、「グアム」「おにぎり仲吉」「割烹あぐ利」「小料理みさ」と並んでいて、小さな飲み屋街だったように思える。
現在、再開発によって永柳工業があったところは、「イーストコア曳舟一番館」(2008年10月完成20階建て273戸)、「二番館」(2009年11月完成41階建て490戸)などに、2番地の入り組んだ路地の中に工場や住宅が建て込んでいたところは「イトーヨーカドー曳舟店」(2010年11月開店)になった。以前、イトーヨーカドーは曳舟たから通りの京島2交差点の近くにあったから、そこから移転した形だ。



1枚目の撮影位置から門のところにきて振り返ったもの。永柳工業の手前の建物は地図に「食堂」と書き込まれていた。道路の奥は京成線のガード。


『永柳工業株式会社』によると、永柳工業は明治29年の創業。コルク製品の製造から出発し、ゴム製品、王冠も製造販売している会社。写真の工場があるところは「帝国コルク株式会社」があったのを、1925(大正14)年に買収して向島工場とした。その頃と思われる地図を見ると、工場敷地の南半分は湿地で、池まであったようだ。
再開発により、北茨城市中郷町の工場を増築して移転したのは2005(平成17)年である。

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