ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




尾張屋。文京区根津2-30。1989(平成1)年2月26日

藍染大通りにある有名なあんみつ屋。看板には尾張屋としか出ていないのに「芋甚(いもじん)」で通っている。『不思議の町根津』(森まゆみ著、ちくま文庫、1997年)によると、焼き芋屋を始めた初代主人が甚蔵という名前だったからだ。名古屋の人だったから尾張屋である。明治末の創業で、震災で芋屋はやめたというから焼き芋屋であった期間は15年ほどに過ぎない。かってに芋甚と呼んだ近所の人々が、アイスクリームの店になっても、子供に「芋甚で小倉アイスを買っといで」といえば、子供も芋甚というようになるわけだろう。建て替わったビルの看板には「芋甚」の字が大きく入っている。
店の横がテイクアウトの売り場で、その下の壁の張り紙と上の暖簾に「昭和焼」とある。どんな食べ物だか知らないが、前書には「昭和焼の前身『パンジュウ』やアイスキャンデーを発明」とある。アンパンのようなものかと想像したが、ネットを見ると今川焼きである。
1992年にここでミツカンを食べたときには、あんみつ300円、ところてん270円、コーンアイス100円という値段だった。



芋甚の隣の二軒長屋。『不思議の町根津』によると、石川書店の開業は昭和13年。1989(平成1)年9月10日

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