ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




東京ビル。千代田区神田司町2-2。1987(昭和62)年1月1日

神田司町(つかさまち)には2丁目しかない。現住居表示になる前は司町の南に1丁目があったが、内神田1・2丁目に変わった。「2丁目」の表示をなぜ残したのかは知らないが、たぶん住民の希望だったのだろう。旧神田司町1丁目の町会は今でも「司一町会」である。
司町を東西に分断するように南北に外堀通りが通っている。その東側が偶数番地、西側が奇数番地で、神田の番地の配列は大通りを境に偶数と奇数に分ける方式が多いようだ。
写真のビルは外堀通りと神田警察通りの交差点の角にあった。「神田警察通り」という名称はわりと最近の命名だと思うが、東へ行ってJR神田駅の北でガードを超えると「神田平成通り」と名前を変えて岩本町の大和橋で靖国通りに合流する。

東京ビル
1987(昭和62)年1月1日

『乱歩と東京』(松山巖著、PARCO出版局、1984年)に左の写真とほぼ同じアングルの写真が載っている。それを見ると、円柱の上部に葉の飾りが置かれているからコリント式オーダーだったのを、剥落する前に削り取ってしまったらしい。また、2階の棒チョコを並べたような飾りのある窓の周囲の壁がタイル張りで、モノクロ写真なので推定だがスクラッチタイルかもしれない。だとすると壁面全体もタイル張りだったのかもしれない。

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