大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ読書感想『岳飛伝-4-』

2016-12-25 06:55:57 | 映画評
タキさんの押しつけ読書感想
『岳飛伝-4-』


この春(2016年4月)に逝ってしまった滝川浩一君を偲びつつ



これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している読書感想で、北方謙三などの水滸伝などに興味のない方にはチンプンカンプンですが、マニアの方には、面白い書評だと思いますので転載いたしました



 北方謙三 水滸伝サガ 第三部 岳飛伝の第四巻であります。
 さぞかし女性各位におかれては 何の興味もわかないかもしれませんが、そこはご勘弁。
 さて、シリーズは殆ど時間の経過もなく、金国のウジュと、立場上南宋軍を預かった形になってしまった岳飛の会戦が本格化します。岳飛は金に占領されている淮河(黄河と長江の間)以北を奪回することが大義となっており、この思いは南宋の政治とは関わりが無い、元々 軍閥としてはじめた戦いだという思いが強い。
 しかし、南宋軍を押し付けられた段階で、いつか政治的に中止の指図が来るかもしれないくらいには感じている。榛檜は榛檜で そろそろ岳飛が邪魔(金との停戦交渉するにあたって)になるだろうと思い始めている。
 ここで、今回から官僚の許礼がいきなりクローズアップになってくる。なんでか解らんが この許礼がやたらと戦の情勢や岳飛の心中について核心を突いている。軍事担当で 短期間の間に南宋軍がまがりながらも使える軍勢になったについては許礼の功績なのだが、何かいきなり洞察力が120%ア~ップしとります。

 史実として岳飛は榛檜に毒殺されるのですが、まさか榛檜が直接手を下した訳ではないだろうから この許礼がやっぱり実在の人物で主犯って事なんですかねぇ。この辺りの史実は何を読みゃあええんですかねぇ、まだそこまでは追っかけていません。
 岳飛と梁山泊の間に、本人達の自覚の有る無しない交ぜにして紐帯が深まりつつあります、物語として今後そこまで突っ込んで行くのか否か、興味を引いていきそうであります。  
 梁山泊メンバーの考え方にも変化が現れ、己のレーゾンデートルを語るのに“夢”という言葉が使われ始めている。思えば楊令も心中を語るに「追えぬもの梁山泊の将来に見ているのかもしれない」なんぞと言うとりましたなぁ……これって「夢を見ている」と同義語ですよね、楊令の死後 漸く彼と同じ視線を持つ者が現れ出したという事です。 また 誰かサンに笑われそうですが、どこを読んでも涙腺にジンワリ来ます。
 後数年で総てがモンゴルに蹂躙されて跡形も無くなる。しかし、人々は今日一日を必死に生きている。物語を鳥瞰している者の傲慢な思いであるとは自覚しているが…一人一人が愛おしくって仕方がない。 う~~ん、やめられまへんなぁ〓

コメント
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