ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

クリプッシュ・ホーン

2007年07月07日 | 訪問記
「店舗に置いて有るので、触られほうだい、汚れています」とうかがっていたが、或る日黙ってその場所に客を装って行ってみた。
目的はただ一つ、あの『クリプッシュ・ホーン』である。
街道に面した暖簾を潜ると、そこにガウディの異次元のような不思議な空間があって、奥のガラス張りのテラスから青葉に反射した陽光が射し込む、時計の秒針も動くことを忘れるような寛げる広間であった。
右手のコーナーに、オーディオ装置と本格的なスタジオ調整卓が備えられて、店主の並ならぬセンスをうかがわせている。
クリプッシュ・ホーンは、有った。
それは、アメリカ製であることを、しばらく考え込む美しさを発揮して、いかなる音像をも再現してみせるとでも言いたげに鎮座していた。
よその装置と同じ音に興味はありません、と店主は申されたそうだが、以前一度お会いしたとき、当方の3倍のテンポで会話が飛んでくるので、非常に出鼻をくじかれた。
当方の『ロイヤル』とくらべて、いかにも弁舌さわやかに鳴りそうで、そのうえ腰の抜かすような低音でも出されたら、恐ろしい。
きょうのところは、黙って引き下がることにした。
いつかきっと、何年先か、心の虫が知らせるようなタイミングが来るであろう。
撮影した写真を前に考える。
当方は、クリプッシュ・ホーンのまえで、鳥肌をたてて聴き入ることになるだろうか。

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