ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

タンノイ社JBL仕様?

2006年08月30日 | タンノイのお話
月見に一杯、猪鹿蝶。親がしんでも食休み。
そこにチリチリと電話がなって「加銅さんとお会いすることができました」と申されているのは宮城のT氏であった。
T氏は一級設計ライセンスを持つ親方で、趣味の管球アンプ造りがこうじ、オーディオルームの建築受注の参考に各地を精力的に行脚され見聞を広められている。
ROYCEにお見えになって、タンノイの音のことよりも、建物の構造に質問が集中したのはそのゆえである。
大工さんを大勢かかえたこの方なら、タンノイとJBLをエンクロージャーに合体させた夢のスピーカーを制作できるのではなかろうか。
いっそのこと、そこにエレクトロボイスの76センチウーハーもはめて、カウント・ベイシーも、ベルリンフイルも悠々とこなす、いまだかってどのメーカーも解決できなかった相矛盾した音。柔らかで硬い音。ホールトーンを響かせながら個々の音像をシャープに定位、うぶ毛を羽根で撫でるような音もカミナリの落下音も自由自在に再現する。
4畳半でも30畳でもこのスピーカーさえあれば...。
「とりあえず、それをアンプで実現しようと、管球アンプ造りに励んでいるのです」
ぜひ、1セット、オネガイシマス。

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ここは沈黙のタンノイ

2006年08月28日 | レコードのお話
「届いたマークレビンソンは、片チャンネルから音が出ませんでした」
楚々と秋風の立った日、K市のK氏はお見えになって申された。
賢明な氏は、いっそ4343も処分されて『タンノイ』にしようかと思われたそうであるから恐るべし。
当方は、ここでギョッとしてひとまず口をつぐむ。
四十にして惑わず、五十前にして早くも天命を悟られたのであろうか。
はたして、ジャズにどっぷりの『4343使い』の御仁に、タンノイで大丈夫???と、一抹の不安が。
ROYCEのタンノイは、ロイヤルにまったく触っていないが、あれこれいろいろと、よくもまあ....というしかけになっている。
タンノイの世界は深い。ジャズにも向いています...と言いたいところをむっと押さえた。ROYCEを一歩出れば、ここは○○である。
「これをどうぞ」と、澤野工房の「ミハエル・ナウラ・クインテット」を聴かせていただいた。ヨーロッパジャズの黄金期1960年代を堪能して、ジャズ世界は広がる。



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ムジーク・フェラインザール

2006年08月22日 | レコードのお話
「フェラインザールの向かいに3年ほど住んでおりましたが、ありありと思い出してしまいました。まったくあのホールの音そのままです」
夏の盛り、仙台からお見えになった歌舞伎俳優のような御客は、75年のニューイヤーコンサートが盛大な拍手で終わると、そう申されて当方とタンノイを見比べている。
すると、東京からお見えになった客は「ロイヤル以外のタンノイのスピーカーはほとんど使ってみましたが、ここの調整は、高音から低音まで思い切りレンジを広げて、しかも中音部が濃く、予想外の音ですが、なぜこのような音にしたのか、わたしはよくわかります」と、核心を突いてきた。
当方の、はてな?という顔をみて一方の人が、東京からみえた人物を「この人は、いままでオーディオにマンション2軒分のオカネを使っています」と、並ならぬ耳と情熱を保証された。
ジャズを聴くために『845球』を通電したが、クラシックなら弦楽の余韻に『300B』が優っているかもしれない。
タンノイは一つの世界を確立したスピーカーだが、他人の装置を聴いて、はたしてこのお客のようにサラッと適切な言葉が浮かぶものか、しばらく考えさせられた。
『千利休』は、何も削るものがないところまで無駄を省いて緊張感をつくりだした「草庵の茶」を考案したが、ロイスのタンノイは「金屏風の茶」を標榜して、まだまだである。

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ベートーヴェン「英雄」

2006年08月20日 | レコードのお話
先日夕刻おみえになった田尻のテナーマンは、旧家にゆうゆうと独り住まいである。
「頼みますから、夜中の二時にサクスを吹くのだけは...」用事のついでにそれとなくご近所から懇請されて「まあ、そういうことで自粛しています」と鷹揚に受け止められた。
良い感じに日焼けされて、そのコツを尋ねると「日陰を求めて、定位置よりいつのまにか10メートル、じりじり移動することもあります。フフフ」と、微笑を浮かべて謎の返事。
ところでタンノイのために、ついに『300Bのアンプ』を入手なさったそうで、ご同慶の至りである。
「プッシュプルです」と補足があった。すばらしい。
ベートーヴェンの英雄を聴いてみたいと所望されて、カラヤンの2楽章が鳴り出すと、それまで話していたジャズのこともサクスのことも忘れて身動ぎもせず聴いておられたが「あー、何だこれは!涙が」と申されてお帰りになった。


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プラターズ

2006年08月19日 | レコードのお話
ヘレン・メリルを電蓄で鳴らす少年が最も情熱をかたむけていたのは、本当は「シルヴィ・バルタン」のレコードであった。
レコード店で「バルタンさん」と呼ばれていたのには目を丸くした。
映画「フェリーニの8 1/2」がどうもわからず、彼に聞いたことがあった。凄い解説がサラサラとでてきた。
彼の部屋で、もっぱら『プラターズ』をリクエストしたが、だいぶ大人になってからそのかって愛聴のLPを東京のアパートまで、届けてくれた。
タンノイで「煙が眼にしみる」を聴いてみたが、やはり良かった。
タンノイは、すばらしい。



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ヘレン・メリル

2006年08月18日 | レコードのお話
高校にあがった最初の日、前の席の男がこちらを振り返って、サッと机に鉛筆でいたずら書きをする。
「ヤメロ」と注意すると「そ奴」は、また振り返っていたずら書きをするのであった。
その男の部屋に遊びに行って聴かされたのが、ヘレン・メリルの『YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO』だ。

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マレーネ・ディートリッヒ

2006年08月17日 | レコードのお話
ディートリッヒのLPは、まだ入手していない。
VOAのニュースフイルムで誰でも知っているが、叶うことならベルリン・ライブをタンノイで聴きたい。
「リリー・マルレーン」が似合うのは、タンノイかそれともオイロダインか。
リーフェンシュタールと比べて、いろいろ思いつつタンノイを聴く。



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マリリン・モンロー

2006年08月16日 | レコードのお話
おそれおおくも、避けて通れない1枚なので。
アトミック・ボンバー、銀幕の女王を、タンノイは涼しく聴かせる。
一言いって良いなら「大統領、誕生日おめでとう...」を、
すべてを承知の上で、
もうちょっとミディアム・レアに、唄うところを聴きたい。

☆~ノーリターンと唄っておられた文学者を(困惑しつつ)懐かしく思い出す。
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ドリス・デイ

2006年08月15日 | レコードのお話
『ドリス・デイ』は銀幕のスターである。
唄声を聴くと、まぶたにさまざま映像が浮かぶところを越えて『デイ・バイ・デイ』はタンノイから流れる。純粋に歌唱を聴くというより、追憶の個人的1枚。
「ひさしぶりに、ブログをあけてみたら、なつかしい顔が並んでいましたね」
黒い高級車でお見えになった謎のA氏は、ボイス・オブ・アメリカの昔をちょっと遠くを見るように思い出されながら、珈琲カップを手元に置いた。
A氏は、やはり山形の「オクテット」さんに、あの日高級車を駆って向かわれていた。テラシマさんの背後で、取材の様子を眺めるところまでいよいよ、こぎ着けたのである。
当方は、テラシマ氏について、あまり役に立たないかもしれないが雑誌から得た二.三の予備知識をつぶやきつつ、お二人が相対するにふさわしいシチェーションを考えたものだが、A氏はどうも、そうとうなテラシマフアンであると驚いた。
文筆作品を読んだ人に、そのように感心してもらえるテラシマ先生とは、当方が考えていた以上に大人物かもしれぬ。



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ジュリー・ロンドン

2006年08月14日 | レコードのお話
「ジョーダンの落札したLPが、非常に良い音で、シビレました」リンホフ氏とデューク・ジョーダンの話をしたばかりであった。今日の新聞は数行の記事でジョーダンの功績をたたえた。
先日も、めずらしいオリジナルLPを持って聴かせてくださって、蒐集のボルテージもいっこうに緩む様子がない。
「このあいだのTURANDOTは買っておいた方が良いでしょうか」と、クラシックにも触手を伸ばされるのだが、上杉アンプを1台持っていますと申される氏のオーディオルームをいつか訪ねてみたいものだ。
「えっ、ジュリー・ロンドン、LIBERTYの赤盤あるのですか?ぜひ聴いてみたいです」バーニー・ケッセルのギターでハスキーにムードをたたえクライ・ミー・ア・リバーはタンノイから流れる。
あらたまって聴いてみると、これは明るい昼ひなかに観賞するものではない。ボーカルは、けっこう時と雰囲気を選ぶものだと知る。

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ジェーン・ラッセル

2006年08月13日 | レコードのお話
ジェーン・ラッセルの唄声はタンノイに似合っている。
モンローと映画で共演したのは31才の時だが、ハリウッドボイスというのか、そこにスタジオセットができ上がって、バーボンウイスキーがカウンターに並んでいるように聴こえる。なかなかの魅力だ。
「このバーボンは、濁りがひどくて売物にならないのでは」と、トウモロコシが原料のケンタッキー産。霧がかかったように琥珀色がだいぶ濁っているので返品しようとした。
「いや、この濁りがバーボンの特徴なのです」なるほどと思わせた輸入商社員であった。倉庫にそのまま残っている。そうとう旨くなっているかも。

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フランキー・レイン

2006年08月11日 | レコードのお話
ジャケットは女性だが、中身は『フランキー・レイン』
40年代のレインは、あまり張り上げずに、湿った声でセプテンバー・イン・ザ・レインを唄っている。
「お客さんは、銀座店にもよくいらっしゃいますよね?」都立駅ハンターの店長は、レジのキーをたたきながら当方に聞いてくる。他人のそら似であるが、似た男がいるのかい?そいつによろしく言っといて。逢いたくはないものだが。
夜道を駅に向かって角を曲がったら、「前田武彦」が連れと歩いてくるところに出くわし、そのころあまりテレビで見なくなっていたので嬉しかった記憶が...。

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ホリー・コール

2006年08月09日 | レコードのお話
クラシック音楽が守備のお客と、思っていたところ、きょうはホリー・コールを1枚持ってみえて、ひさしぶりにモノトーンの独特の歌唱を聴いた。
携帯がプルプルと鳴って、お客は電話の相手をねぎらっている。「車の帰路を気をつけて」と相手に申されている。背景でホリーは静かに唄っている。
ちょうど、町の世話役が『灯籠流し』の参加券を持ってきてくださって、ややや、ホリーの歌声はそこにもマッチしている。
短い夏、涼しげにホリーは唄う。

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土蔵のタンノイ

2006年08月05日 | タンノイのお話
「あの人どこにいったの?」「化粧室から出てこないわね」
メンバーがステージに並んで、まもなくライブ演奏も始まるという時間になって、周囲の女性たちが騒いでいた。
そのときすでに御手洗いで酔いつぶれていた男性の記憶と、今日のお客は似ている。
演奏の終わりころ、ふらふらと酔った姿をみせたが........どのような事情が?。
「いや、そういうことはありません」
ROYCEには以前にも来ておられるそうで、別人であった。
そのとき背の高いメガネのお客が
「ではアンプなどをちょっと見せていただいて宜しいでしょうか」とにこにこしながら立ち上がって、数年前からオーディオ熱が復活、「アルテックA-7」と「タンノイ・アーデン」を天上の高い土蔵で鳴らし分けて、アンプも自作されるそうである。
気が付くとさきほどの御仁もササッと我々に近寄ってアンプを眺めている。
板敷きのデッドな空間で鳴らしているその方は、ライブネスな音響に一度はトライしてみたいと申される。カーペット1枚剥がしても、その効果は良くも悪くも絶大
「女房が、社交ダンスにたまに使いますので、剥がすわけには...」
土蔵は、有効に活用されていまもその威容を誇っている。

☆写真は杉並S氏から拝領のCD。
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宇宙のタンノイ

2006年08月03日 | タンノイのお話
「アポロは本当に月に降りたのでしょうか」
4チャンネル・マルチ装置を謳歌している『立花隆』氏に、ジャズのことよりそこを問いたい。
ガラスはアモルファス。月に持っていくハッセルブラッドにアモルファスはまずい。
そこでツァイスは水晶を磨いて月面用結晶レンズを造った。これなら宇宙線にも紫外線にも熱膨張にも大丈夫。では宇宙に行くオーディオマニアのために使われるスピーカーはタンノイ?。
月より遠い千葉と埼玉からジャズ好きの御仁が二人、車でお見えになって「あああ、遠かった」。
昨年おいでの時と、音がまったく変わっていたので、はてな?。タンノイは不思議。
「スリー・ブラインド・マイスですね」とお解りで、貴殿もオーディオ・マニアでしょう。

☆「息子が帰ってくるので」と缶ビールを購入のおばあちゃん。「よっこらしょ。膝に水がたまったの、おかねがたまらないで」ぐふ...
☆写真はポルシェ・デザイン研究所のコンタックスRTS。ハッセルブラッドと同じツァイスのレンズ。シャドーの描写が良いのは、タンノイと同じ。
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