タクシーから降りて、静かにタンノイ・ロイヤルのまえに座した品のよい客は、やがて一曲終了したビレッジ・ヴァンガードの客と一緒に、パチパチと拍手した。
「どうしても来てみたくなったのですが、堪能しました」
勤務されていた会社の社長が趣味で造った管球アンプで、いつもブルー・ノートを楽しんでいると。
最近、『キャンディ』というジャズ喫茶に行ってきましたが、なかなか凄い音でした。と壁にサインを残しながら、お話によれば日々各地のジャズを楽しまれているご様子だ。
日輪が三時の蔭をつくる頃、現れた松島ST氏は、鼻腔をすこし膨らませているような。
ちかごろ、なにか変わったことは、どうです?
「マランツ#7を入れました」
Oh !
「後期の製造ロットですから.....」あくまで控えめのST氏であるが、あのマランツ#7のことである。これまでをブレークスルーした音であることは様子に隠せない。
周囲を俯瞰してみたとき、#7が次第に結集しつつあるようで恐ろしくさえあるが、これまで数々のジャズシーンを彩ってきたC-22やオンライフの名器はどうなさったのか。宇治十帖の顛末を紐解いてもらった。
「いままでのラインナップだって期待どうり楽しんできたわけですが、たまたま機会があって繋いだ#7の音を聴いたとき、あれっ、同じスピーカーなのにこの音はなにか?....と思ったわけです」
そこに音楽が聴こえていたと話すST氏と、こちらは一緒に音を聴いた気分になったが。
ロイヤルで鳴るズート・シムスの『JIVE AT FIVE』は、自在なテンポでブパッと壁に反射し空気を震わせると、
「おや、いまウチの#7と同じ音が聴こえたような」などと、すでに様変わりの、心得た言葉を抜く手も見せぬST氏であった。
松島町の二階の大きな窓を背景に、新しい音で空気を震わせている『アルテックA-7』をしばらく想像した。
「どうしても来てみたくなったのですが、堪能しました」
勤務されていた会社の社長が趣味で造った管球アンプで、いつもブルー・ノートを楽しんでいると。
最近、『キャンディ』というジャズ喫茶に行ってきましたが、なかなか凄い音でした。と壁にサインを残しながら、お話によれば日々各地のジャズを楽しまれているご様子だ。
日輪が三時の蔭をつくる頃、現れた松島ST氏は、鼻腔をすこし膨らませているような。
ちかごろ、なにか変わったことは、どうです?
「マランツ#7を入れました」
Oh !
「後期の製造ロットですから.....」あくまで控えめのST氏であるが、あのマランツ#7のことである。これまでをブレークスルーした音であることは様子に隠せない。
周囲を俯瞰してみたとき、#7が次第に結集しつつあるようで恐ろしくさえあるが、これまで数々のジャズシーンを彩ってきたC-22やオンライフの名器はどうなさったのか。宇治十帖の顛末を紐解いてもらった。
「いままでのラインナップだって期待どうり楽しんできたわけですが、たまたま機会があって繋いだ#7の音を聴いたとき、あれっ、同じスピーカーなのにこの音はなにか?....と思ったわけです」
そこに音楽が聴こえていたと話すST氏と、こちらは一緒に音を聴いた気分になったが。
ロイヤルで鳴るズート・シムスの『JIVE AT FIVE』は、自在なテンポでブパッと壁に反射し空気を震わせると、
「おや、いまウチの#7と同じ音が聴こえたような」などと、すでに様変わりの、心得た言葉を抜く手も見せぬST氏であった。
松島町の二階の大きな窓を背景に、新しい音で空気を震わせている『アルテックA-7』をしばらく想像した。