地球を横切る月の影のスピードは時速1800キロである。
それは軒下の風鈴をさえ鳴らさず通りすぎたが、最近、右の耳に、時計の秒針の音が聴き取れなくなって驚いた。
いつか、そんなことはどうでもよくなっていたある数ヶ月後、元のように聴こえているのに気が付いた。
「この今鳴らしたレコードのジャケットを見せていただけませんか、誰の演奏でしょう、ぜひ買いたい」
女性の言葉に連れの人が言っている。
「これは、ボクは2枚持っているけど、エバンスの『Waltz for Debby』だよね」
「あら、それならわたし持ってるわ。ふーん、そうだったの。ピアノの音がとても良かった」
それは軒下の風鈴をさえ鳴らさず通りすぎたが、最近、右の耳に、時計の秒針の音が聴き取れなくなって驚いた。
いつか、そんなことはどうでもよくなっていたある数ヶ月後、元のように聴こえているのに気が付いた。
「この今鳴らしたレコードのジャケットを見せていただけませんか、誰の演奏でしょう、ぜひ買いたい」
女性の言葉に連れの人が言っている。
「これは、ボクは2枚持っているけど、エバンスの『Waltz for Debby』だよね」
「あら、それならわたし持ってるわ。ふーん、そうだったの。ピアノの音がとても良かった」