ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

トゥオネラの白鳥

2007年11月18日 | 徒然の記

どこかに忘れた憧れを呼び戻そうとする、静寂のなかに息づいている呼び声が聞こえてくるこの写真は、先日の客人がもってきてくださった作品の1枚だ。
当方も、伊豆沼に遠征したことがあって、はたしてこのようなシーンが、あの沼のどこにかくれていたのかと、びっくりした。
腕におぼえのある人々が、ちょっと刀の鍔をパチンと鳴らしてみせた感じが楽しい。
まだほかにも、大勢の腕利きのひとたちが控えているので、オーディオ装置だけではなく、絶景のフレームを見せていただきたいものだ。
ラックスの38FDというアンプでジャズを聴くこのドラマーは、カメラとスティックを自在に操って、あるときはロイスで控えめに珈琲を飲む。
この日は、棚から抜いてきたというソニー・スティットのアルバムを、写真と一緒に楽しませていただいた至福の一時。

☆わかりきったことを申すようなれど「白鳥の写真」についてこの一枚を選んだ感想を。絵は寒鴉枯木、歌は雪月花、ゲージツは真善美破。
この写真の「真理」は、左上の民家の灯りにあって、蕪村の「五月雨や大河を前に家二軒」とちがい一軒であるところ自然の闇と白鳥との関係に絶妙のバランスを見せる。「善」は三羽の鳥の物語る平安。「美」はめずらしい光の角度ともろもろのタイミングという、真善美のそなわった佳品と感服しました。
もし、家が3軒並んでいたら、黒沢明なら二軒をつぶすのではないでしょうか。



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