ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

トーレンス226

2008年07月25日 | タンノイのお話
カートリッジに『SPU-A』を使うことは、タンノイと管球アンプにとって、音楽の旅の羅針盤が方向を決めたことになる。
SPU-Aに丁度よいアームというのが難しいが、デザインとバランスで、いまのところ『RF-297』である。
だいぶまえオルトフォン・ジャパンに電話して、RF-297を購入したいというと「そのようなアームは知らない」との返事であった。
EMTの放送局用プレーヤーのために、デンマーク・オルトフォン社が製造したアームが、いまでは幻の名器といわれ簡単には手に入らなくなった。
このアームは全長40センチあって大型のプレーヤーでなければセットできない。
わざわざ場所を取る大型プレーヤーにしてまで使いたくなるのは、SPU-Aのローコンプライアンスに理由があることは誰でも知っている。
この重いアームによって、ふてぶてしい低音が出るので、一度使うと手放せなくなる。
アームのオフセット角と距離に問題があるけれど、黙って使うのがツウである。
震度6の地震の深夜、針がバウンドしてタンノイが呻いている。
やむをえず、アームをピボットにもどして再生を止めた。
長い地震振動のあいだ、我々にすることはいっぱいあるが、優先順位でいうと最初にプレーヤーである。次にアンプの電源を落とす。
そしてロイヤル様に走りよって、上の貴重品が落ちないように支える。
この時間が長く、本当はあぶない。
横ゆれが酷いなら、逃げるのであるが、タンノイを放置して逃げるという判断がむずかしい。
揺れがおさまって、ヒビのない茶室の壁に安堵する。
日本に住むということは、そういうことだと最近になってわかってきたような気分だ。
地震がおさまって、世の中、早くも皆眠りについていたようだ。



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