ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

べートーヴェン「田園」

2007年06月25日 | 巡礼者の記帳
リクエストによって久しぶりにワルター『田園』四楽章、五楽章を聴く。
ワルターの田園は、どういうわけか良すぎて、よろしくないのが問題だが、良く聴かなければわからない、謎を演奏に残してほしかったということである。
タンノイ・ウエストミンスターを永年愛聴される人の登場で、これで折り曲げホーンのタンノイが市内に五セットあることがわかった。
「今後も、タンノイを変えることはありません」と申されて、二階の二十畳に天上の板を取り払ってウエスギアンプ、マッキントッシュなどによる永年の逍遙、スーパーツィーターを増設したいきさつを伺うことができた。
その成果やいかに。
ROYCEのタンノイと、高域の再現や左右の分離が異なるようで、聴いた本人のみが知る音の違いを、当方は、なすすべなく承るのがいつものことであるが。
大型クリプッシュ・ホーンを鳴らすという人物もさきごろおみえになって、街の周囲の「歌枕」が巨大な潜水艦のように波を分けて浮上してきた。
謎のA氏のJBLなどもそうだが、ぜひいつかお聴かせいただきたいものである。



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荘園遺跡の2

2007年06月22日 | 歴史の革袋
「神代より 斯くにあるらし 古昔も」
と歌われた万葉の風景を、本寺荘園遺跡に訪ねてみることの続きの話。
磐井川の傍らの道を、どこまでも標高を上げて行くので、しだいに空気も景色も澄んでハンドルを忘れる。
このとき難しいのは車のスピードのことである。
この道に許されるスピードは50キロであるが、なんとなく『ルマン24H』のコースをしのばせるところがモノ騒ぎで、ホネデラ24時間レースがいつか開催され世界遺産を横目にスポーツカーが驀進する時が来るのかもしれない。
路の途中で、いくつか立ち寄るべきところのひとつにアイスクリームの店と蕎麦の店がある。
美味しいモノで無口になった人々をそっと見ると、満足げに瞑想し、タンノイを聴いているときと、どこか似ている。
遺跡を俯瞰するには駒形根神社に登るよう教わったが、そこで、不思議なアザミの花を見た。
自生したものか特別に植えられたものか、探索してみたが鳥居の周囲に2株だけ、その色の見事なアザミは大きく育っていた。これまでで最高のアザミの色である。
鳥居の石段の右手に小さな鐘楼がある。
この梵鐘は大きくはないが、形が観世音寺の7世紀の鐘と似ているような気がする。
おそれおおいが、小さく突いてみた。
予想外に良い音であった。
そういえばROYCEにおみえになった人から聞いた話で、ミジンコ博士も最近ここを訪れて「お、いいねー」と申されたと。

スケッチは正確ではない。
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モーツアルト K.626

2007年06月11日 | 巡礼者の記帳
40年前の学友の訪問があった。
記憶によればチョーまじめな男であったので、国税庁に就職するとの風の便りに、同じ東京に暮らすのはちょっと..と思ったネと当人を前に言ったら、優しい眼で紳士は笑った。
彼に一度、N響のコンサートに招待されたことがあった。
夜勤明けをおして行ってみたら、一番前の中央の席である。
たまらず演奏の最中コックリした。
気が付くと、眼の前のバイオリニストの女性と視線が合った。
演奏陣の一角がザワついていた。申しわけない。
そのてんタンノイのまえでの居眠りは心安い。
紳士はタンノイの鳴らすレクイエムに感心して「今のキミがあるのは、ボクの影響だ、ということにしておいて」と、言った。
あれからも変わらず音楽を楽しまれているそうである。


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骨寺荘園遺跡

2007年06月01日 | 歴史の革袋
『荘園』という千年もむかしの営農遺跡が磐井川の上流に発見されたと聞いて、或る日、太古の昔を訪ねてみた。
ROYCEの傍の磐井川を10キロ遡るとそこは厳美溪で、KO氏のウエスタンWE-16Aホーンがある。また、空跳ぶダンゴで有名な某居宅には大変な装置が鎮座している噂があるが、当方は依然として拝聴していない。
厳美溪からさらに上流に7キロ遡ったところに山谷仙人がおり、ゴトウホーンやバイタボックスが美麗な音響であたりをはらっている。
山谷からさらに3キロ上流に本寺HONDERAというところがあり古い文献に骨寺と書かれて目的のところである。
『骨寺村荘園遺跡』は、「吾妻鏡」にある中尊寺ゆかりの別当の所有と、古図の分析をした碩学の証明で、川や道、田園が太古の絵図のまま残っている希有の存在であるそうで、いったいそれはどこにあるのだろう。
さんざん車を走らせてのどが渇き、自動販売機のボタンを押したとき、渋いガラス戸をにゅっと開けた男が「駒形根神社に登れば見える」と教えてくださった。
県道を北東に入ると、急に異次元の空間が開けて駒形根神社は有り、石段のそばの明晰な掲示板でこの世界遺産の候補地となった遺跡の概要を知ることが出来た。
神社に詣でてお賽銭をと箱を探したがそれらしいものはなく木戸の隙間に挟んだら、ほかにもいくつかお賽銭がそのままになっていた。
杉の木に絡んだ藤の花がみごとで、ビルの四階ほどの高さまで咲いている。
朽ちかけた鐘楼の傍らから見た、谷あいに広がる田園風景は忘れ難いものである。
現在生活されている人にとって、庭先まで車で踏み込まれるのは迷惑なことで、何台も車が連なるようになるとき、いずれ侵入禁止となるであろう。
山懐に抱かれるように千年ものあいだ変わらず耕作されてきた風景は、見る者に、ふしぎな安らぎと感慨を憶えさせ、倦きることがなかった。

スケッチは記憶によるもので、正確ではない。
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