国道343号線は、内陸から海までを緯度線のように結んでいる道路である。
街を縫い野山を分け入って、あるいはトンネルを抜け、きれいに舗装された車線が伸びる。
道の左右に迫る急峻な山という山に、松や杉やブナの群落や、様々な木がすべてびっしり植林されたように、あるいはかってに群生し、どこまでも連なって目の前に迫るそこを分け入るように道は延びている。
この343号線の途中に、歴史的な町屋の一群が3つあり、途中下車して、燃料補給や食事をたのしむことができる。
観光地で名の知れた睨美渓はこのような渓谷の川を、景色をあそぶ紅葉狩りにやんごとなき暮らし向きの人々が、舟遊びに世塵をはらって景色のうつろいのままに美酒を酌む。
途中に海抜450メートルの笹ノ田峠があり、落差100メートルのループ橋がこの地震でも持ちこたえて安堵したが、橋の下の谷底を見ると、マッチ箱のように小さく数軒の家がみえた。
もしやあの有名な今泉街道の原形に残っている貴重な道路なのか、源義経はここを通った噂がある。まもなく公民館や集落もみえた。
隘路の曲がりくねった舗装道路は時速40キロの標識があり、強者が車体の低い重心のステアリングを駆使して高速で楽しもうとすると、突然山陰から対向車が出現するので危険である。
早朝に宿を戻ると、歴史的震災の対応に遠征してきた○阪検非違使が竹駒橋のたもとで弁慶のように朝の七時に交通整理にピカピカの車体で居た。
大船渡市の分岐路には京○検非違使が雨合羽を着て誘導し、住民はみなサンづけで彼等を畏敬しているではないか。
このように以前から京都、大阪のほかに、信号待ちをしていると通過した滋賀検非違使には、そんなに睨まなくともと驚いたが、それはともかく、この道に中央分離帯が無い343号線を、F-1マシンを持ってきて走るなら世界にもめずらしい絶景のロングコースである。
ブレーキ構造の安定したF-1なら時速二百キロも可能では。
だが、すれ違ったり追い抜いたりする路幅はなく、ただゆっくり高速で走るだけ、霧にかすみ、また光の射すコースを、内陸から海を目指して走ってみたいものである。
海から戻ると、仙台から男女の客があった。
川向こうにも行ったことのないしろうとであるといいながら自信たっぷりで、そのうち、曲に反応する空気感がジャズ者であるとわかった。
女性は都会的に、連れとの会話の間を楽しんで、自分から車を運転し去っていった。
運転席にサングラスが、似合いそうである。
街を縫い野山を分け入って、あるいはトンネルを抜け、きれいに舗装された車線が伸びる。
道の左右に迫る急峻な山という山に、松や杉やブナの群落や、様々な木がすべてびっしり植林されたように、あるいはかってに群生し、どこまでも連なって目の前に迫るそこを分け入るように道は延びている。
この343号線の途中に、歴史的な町屋の一群が3つあり、途中下車して、燃料補給や食事をたのしむことができる。
観光地で名の知れた睨美渓はこのような渓谷の川を、景色をあそぶ紅葉狩りにやんごとなき暮らし向きの人々が、舟遊びに世塵をはらって景色のうつろいのままに美酒を酌む。
途中に海抜450メートルの笹ノ田峠があり、落差100メートルのループ橋がこの地震でも持ちこたえて安堵したが、橋の下の谷底を見ると、マッチ箱のように小さく数軒の家がみえた。
もしやあの有名な今泉街道の原形に残っている貴重な道路なのか、源義経はここを通った噂がある。まもなく公民館や集落もみえた。
隘路の曲がりくねった舗装道路は時速40キロの標識があり、強者が車体の低い重心のステアリングを駆使して高速で楽しもうとすると、突然山陰から対向車が出現するので危険である。
早朝に宿を戻ると、歴史的震災の対応に遠征してきた○阪検非違使が竹駒橋のたもとで弁慶のように朝の七時に交通整理にピカピカの車体で居た。
大船渡市の分岐路には京○検非違使が雨合羽を着て誘導し、住民はみなサンづけで彼等を畏敬しているではないか。
このように以前から京都、大阪のほかに、信号待ちをしていると通過した滋賀検非違使には、そんなに睨まなくともと驚いたが、それはともかく、この道に中央分離帯が無い343号線を、F-1マシンを持ってきて走るなら世界にもめずらしい絶景のロングコースである。
ブレーキ構造の安定したF-1なら時速二百キロも可能では。
だが、すれ違ったり追い抜いたりする路幅はなく、ただゆっくり高速で走るだけ、霧にかすみ、また光の射すコースを、内陸から海を目指して走ってみたいものである。
海から戻ると、仙台から男女の客があった。
川向こうにも行ったことのないしろうとであるといいながら自信たっぷりで、そのうち、曲に反応する空気感がジャズ者であるとわかった。
女性は都会的に、連れとの会話の間を楽しんで、自分から車を運転し去っていった。
運転席にサングラスが、似合いそうである。