昨日は日帰りで大阪へ出張。最近何故か週一ペースで大阪へ行っています。
往復の新幹線の中が自由に使えるので、私にとっては、ある意味で大変有意義な時間になっています。仕事をしながらではありますが、愛用のipodでたっぷり音楽を聴くことが出来ました。
今日ご紹介するのは、最近の話題盤の一つ、テンシュッテットの大阪ライブです。曲目はマーラーの5番。
<曲目>
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
<演奏>
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・テンシュテット(指揮)
録音:1984年4月13日(金)、大阪フェスティバル・ホール、ライヴ
昨日の出張時に、懐かしいフェスティバルホールの前を通りかかったのも何かの縁を感じます。
今から約20年前に、この場所でテンシュテットがマーラーを演奏していたんですね。そう考えると、胸がいっぱいになりました。
テンシュテットのマーラーの5番は、1978年のスタジオ録音盤、1988年のロンドンライブ盤の2種類が有名で、そのほかに1990年録音のコンセルトヘボウライブ盤等もあります。
今回の大阪ライブ盤は、EMIのスタジオ録音とロンドンライブ盤(EMI)のちょうど中間の時期の演奏です。EMIの2組の演奏はいずれも私にとって大切なアルバムで、特にライブ盤はマイフェイバリットの1枚。
さて、この大阪ライブ盤。
とにかく音が素晴らしい。ライブ盤としては驚異的な音質です。
第一楽章、冒頭のトランペットソロの素晴らしさがこれだけリアルな音で聴けるとは・・・。過度の表情付けをしないでゆったりと大きなフレージングで奏されるこのソロが、かえって胸にジーンと訴えかけてきます。後半の第二中間部でヴァイオリンが奏でる深い哀しみの表情(11:16くらい)、これも一度聴いたら忘れることはできません。最後のピツィカートも本当に効果的。
第二楽章、とにかく弦楽器の充実した響きが印象に残ります。特に、弱音のティンパニのトリルに支えられて静かに奏されるチェロ(4:20くらい)の表情の美しいこと。
第三楽章は、18分を要する長大なスケルツォ。ホルンの牧歌的な表情と弦楽器のピツィカートの鮮明さが印象に残ります。
そして、あの美しいアダージェット。「非常にゆっくり」というマーラーの指定どおりの演奏。何と12分を要していますが、私には淡々と抑え気味の表現が大変好ましく感じられました。
フィナーレは、この曲の中で最もメリハリを利かせた演奏。生気に満ちた表現、フーガの処理が見事。コーダの最後のほうでアンサンブルがちょっと乱れひやりとさせられましたが、何とか持ち直してエンディング。
またマーラーの5番の名演が一つ増えました。
他の方の演奏評をいくつか拝見しましたが、「情念のこもった」「のめりこんだ」「ドラマティックな」という評が多かったように思います。しかし、むしろ私はマグマのような熱い思いを中に秘めつつ、表情自体は逆に淡々とした演奏のように感じました。全体の見通しがよくスケールが非常に大きなところに、この演奏の特長があります。
ただ、この素晴らしい演奏を聴いても、私は、癌と闘病中であった88年に行われたロンドンライブの、あの桁違いの集中力をもった演奏により惹かれます。指揮者もオケも本当にギリギリのところで勝負している姿が、私の心を捉えて離しません。一世一代の名演でした。
しかし何度も言いますが、今回の大阪ライブの演奏も、マーラーの交響曲の名盤を語る上で今後必ず登場するでしょう。
しかも、この名演が名匠テンシュテットのもと日本で生まれたことは、私達にとってかけがいのない財産です。
でも、やっぱり聴きに行きたかったなぁ。(当時大阪に住んでいただけになおさらです。残念!)
往復の新幹線の中が自由に使えるので、私にとっては、ある意味で大変有意義な時間になっています。仕事をしながらではありますが、愛用のipodでたっぷり音楽を聴くことが出来ました。
今日ご紹介するのは、最近の話題盤の一つ、テンシュッテットの大阪ライブです。曲目はマーラーの5番。
<曲目>
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
<演奏>
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・テンシュテット(指揮)
録音:1984年4月13日(金)、大阪フェスティバル・ホール、ライヴ
昨日の出張時に、懐かしいフェスティバルホールの前を通りかかったのも何かの縁を感じます。
今から約20年前に、この場所でテンシュテットがマーラーを演奏していたんですね。そう考えると、胸がいっぱいになりました。
テンシュテットのマーラーの5番は、1978年のスタジオ録音盤、1988年のロンドンライブ盤の2種類が有名で、そのほかに1990年録音のコンセルトヘボウライブ盤等もあります。
今回の大阪ライブ盤は、EMIのスタジオ録音とロンドンライブ盤(EMI)のちょうど中間の時期の演奏です。EMIの2組の演奏はいずれも私にとって大切なアルバムで、特にライブ盤はマイフェイバリットの1枚。
さて、この大阪ライブ盤。
とにかく音が素晴らしい。ライブ盤としては驚異的な音質です。
第一楽章、冒頭のトランペットソロの素晴らしさがこれだけリアルな音で聴けるとは・・・。過度の表情付けをしないでゆったりと大きなフレージングで奏されるこのソロが、かえって胸にジーンと訴えかけてきます。後半の第二中間部でヴァイオリンが奏でる深い哀しみの表情(11:16くらい)、これも一度聴いたら忘れることはできません。最後のピツィカートも本当に効果的。
第二楽章、とにかく弦楽器の充実した響きが印象に残ります。特に、弱音のティンパニのトリルに支えられて静かに奏されるチェロ(4:20くらい)の表情の美しいこと。
第三楽章は、18分を要する長大なスケルツォ。ホルンの牧歌的な表情と弦楽器のピツィカートの鮮明さが印象に残ります。
そして、あの美しいアダージェット。「非常にゆっくり」というマーラーの指定どおりの演奏。何と12分を要していますが、私には淡々と抑え気味の表現が大変好ましく感じられました。
フィナーレは、この曲の中で最もメリハリを利かせた演奏。生気に満ちた表現、フーガの処理が見事。コーダの最後のほうでアンサンブルがちょっと乱れひやりとさせられましたが、何とか持ち直してエンディング。
またマーラーの5番の名演が一つ増えました。
他の方の演奏評をいくつか拝見しましたが、「情念のこもった」「のめりこんだ」「ドラマティックな」という評が多かったように思います。しかし、むしろ私はマグマのような熱い思いを中に秘めつつ、表情自体は逆に淡々とした演奏のように感じました。全体の見通しがよくスケールが非常に大きなところに、この演奏の特長があります。
ただ、この素晴らしい演奏を聴いても、私は、癌と闘病中であった88年に行われたロンドンライブの、あの桁違いの集中力をもった演奏により惹かれます。指揮者もオケも本当にギリギリのところで勝負している姿が、私の心を捉えて離しません。一世一代の名演でした。
しかし何度も言いますが、今回の大阪ライブの演奏も、マーラーの交響曲の名盤を語る上で今後必ず登場するでしょう。
しかも、この名演が名匠テンシュテットのもと日本で生まれたことは、私達にとってかけがいのない財産です。
でも、やっぱり聴きに行きたかったなぁ。(当時大阪に住んでいただけになおさらです。残念!)
梅雨明け宣言とともに、夏のコンサートは水不足になります。しかしこの季節はCDで、名演奏で出あう機会が増えますね。ご紹介ありがとうございました。早速購入したいと思います。
が、その前にエネスコの無伴奏バッハを購入されたのですね!思い入れが強いだけに、この曲で気に入る演奏はあまりないのですが、エネスコだったら是非手に入れたいです。赤いジェケット・・・うん。
それからさしつかえがありそうなので書きませんでしたが、映画の中でマーラーが「ブラス・バンドは大嫌い」と言っておりました。5番の冒頭トランペットのソロは、非常に重要だと思います。この出来が悪いと聴く気持ちが消滅します。アマオケで、コンミスがこの5番を候補に挙げたら、トランペット担当に「俺を殺す気か」と言われたそうです。マーラーの曲は、金管楽器のつかい方が巧みだと思います。
*何度か私の方からもTBしているのですが、できません??もし複数はりついてしまっていたら、お手数かけますが削除をお願いします。申し訳ございません。
いつもありがとうございます。
何故かテンシュテットのマーラーを今年に入ってよく聴きます。海賊盤が少しずつ正規発売されてきたことも素晴らしいことですね。
NHK、民放に限らず、是非過去のストックをチェックして欲しいですね。
いつもありがとうございます。
私はフェスティバルホールには本当に思い出があるんです。
朝比奈御大はもちろん、ムラビンスキー、ジュリーニ、カルロス・クライバー、小澤征爾、ブロムシュテットと枚挙にいとまがないくらいの感動をもらいました。
ちょうどこのタイミングで転勤したばかりで、どうしてもテンシュテットを聴きに行けなかったんです。でもやっぱり悔しいなあ。
ご丁寧にありがとうございます。
エネスコのバッハですが、私は山野楽器の本店で見つけました。池袋店でゲットされた方もいらっしゃるようですから、機会があれば一度覗いてみられたらいかがでしょうか。
マーラーの5番は、おっしゃるとおり最初のソロで全て(?)が決まってしまいます。私がソロトランペットの立場だったら絶対胃潰瘍になって入院してしまいそうです。でも、このソロを少し翳りをもった表情で、かつ大きなフレージングで吹けたら、コンサートは逆に八分方成功したようなものですよね。
この大阪ライブは、良い線行っていると思います。
P.S
TBの件ですが、大変申し訳ないのですがうまくつながっていないようです。
先日は演奏会にいらして下さってありがとうございました♪
テンシュテットさんのマーラー5番は大人気みたいですね。
mozart1889さんやstbhさん
http://blog.so-net.ne.jp/classicalandsoon/2005-07-21#comments
にも褒められていました。
いつか聴いてみたいです。
前の記事になりますが、お知り合いの方のご結婚、おめでとうございます。
大阪は暑いと思いますが、くれぐれもご自愛ください♪
おはようございます。いつもありがとうございます。
テンシュテットのマーラーはやっぱり良いです。今年になって改めてその感を強くしています。是非一度聴いてみてくださいね。
7月31日のバッハ、ご紹介いただきありがとうございます。楽しみにしております。
ところで、私は最近になってマーラーを聴き始めたので5番はまだですが、ライブアルバムというところに惹かれてしまいますね。今度チェックしてみたいと思います。
ありがとうございます。iPodは「いつでもどこでも音楽を聴いていたい派」の私にとって、いまや宝物になりました。唯一音質が少しだけ不満だったのですが、イヤフォンを付属のものからB&OのA8というイヤフォンに変えたら、素晴らしい音に変わりました。もう、黄金の組み合わせだと思います。
もし、未聴でしたら是非お試しあれ・・・。
http://shopping.yamagiwa.co.jp/audio/bo/headphone/809A8.html