バッハのカンタータ第51番、バルトークのピアノコンチェルト第3番、シューマンの『ライン』という素晴らしいプログラムに加えて、ソプラノ独唱は今をときめく歌姫森麻季さん。
これは、何をさておいても聴かねばなりますまい。
ということで、昨日、新日本フィルの定期演奏会に行ってまいりました。
今年初めてのコンサートになります。
新日本フィルの定期演奏会の開演は、いつも19:15。
この15分が、サラリーマンにとっては、ほんとに助かります。
クリスマスイブに「聖夜のメサイア」を聴いて以来、約1月ぶりのサントリーホールということになりますが、この日の席は例によってP席でした。
<日時>2007年1月19日(金)19:15開演
<会場>サントリーホール
<曲目>
■バッハ:カンタータ『もろびとよ歓呼して神を迎えよ』BWV.51
■バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
■シューマン:交響曲第3番変ホ長調『ライン』op.97
<演奏>
■ソプラノ:森 麻季
■ピアノ :松本和将
■クリスティアン・アルミンク指揮
■新日本フィルハーモニー交響楽団
オープニングのバッハのカンタータは、私の大好きなカンタータのひとつで、いかにも新春にふさわしい選曲。
プログラムをぱらぱら眺めていると、森さんがアルミンクとともにステージに登場しました。
やっぱり華がありますねぇ。
期待して第1曲を待ちます。
しかし、冒頭のトランペットの音が大きい!
加えて、テンポが少し前のめりになる感じで、ソプラノが入ってきてもあまり音量が落ちません。一生懸命聴こうとすればするほど、ソプラノの声は聴こえないし、アンサンブルの乱れも気になりました。
P席だからということもあるのでしょうが、同じP席で聴いたアバド&ルツェルンのモーツァルトのコンサートアリアは、ソプラノのハルニッシュの声も明瞭に聴こえましたので、席だけの問題ではないようです。
そんなこともあって、肝心の第1曲のアリアについては、残念ながら楽しむことができませんでした。
意図したかどうか分かりませんが、アルミンクは、第2曲までの間を少し長めにとりました。
この効果は大きく、第2曲以降は美しいバッハを聴かせてくれました。
第3曲では、アルミンクが指揮をやめてソプラノとチェロ・オルガンに任せていたのですが、本当に美しかった。とくにソプラノを支えるチェロの素晴らしさが印象に残りました。
ただ、この日の森さんは少し調子が悪かったのかしら。
もちろん美しい声ではあったのですが、あの清楚ながら凛とした森さん独自の魅力が感じられなかったのです。
次回に期待しましょう。
前半の2曲目は、松本和将さんをソリストに迎えてのバルトークの3番。
これは良かった。
松本さんのピアノを聴くのは、この日が初めてでしたが、スケールが大きく雰囲気のあるピアニストですね。
第1楽章では、つぶやくようなフレーズが何度か出てきますが、実に自然に聴こえました。
第2楽章の瞑想するような深い表現、第3楽章の生気溢れる表情、いずれをとっても見事で、もし初めてこの曲を聴いた人がいたとしても、きっとこの曲のファンになったことでしょう。
またまた、魅力的なピアニストに出会うことが出来ました。
この日のメインは、シューマンの『ライン』。
悠然としたスケールの大きな『ライン』で、素晴らしい演奏でした。
アルミンクは、決して「勢いに任せて」という表現をとりません。
音楽の流れを大切にしつつ、常に内声から音楽を変化させ、バスにエネルギーを与え、旋律に真実味を感じさせてくれます。
どこかジュリーニの音楽を思わせる、そんな演奏でした。
ただ、第一楽章では、対旋律を随分意識してオケに指示していましたが、アルミンクが指示したほどには音として聴き手には伝わってきませんでした。
やはりシューマンのオーケストレーションの問題なんでしょうね。マーラー版を使ったと思われるジュリーニの演奏では、あざやかに対旋律が浮かび上がっていましたから・・・。
一方、フィナーレのエンディングに向かう構成力の巧みさと力感には、思わず手に汗握って聴き入ってしまいました。
また、終演後万来の拍手のなか、この日が最後のステージになるクラリネット奏者に後ろからそっと近づき、茶目っ気たっぷりの表情で大きな花束を渡しながら、長年の労を心からねぎらっていたアルミンクに、人間としての魅力を感じました。
来月も新日フィルの定期に行く予定ですが、次回のプロはブリュッヘンのモーツァルト。
今から、ワクワクしています。
これは、何をさておいても聴かねばなりますまい。
ということで、昨日、新日本フィルの定期演奏会に行ってまいりました。
今年初めてのコンサートになります。
新日本フィルの定期演奏会の開演は、いつも19:15。
この15分が、サラリーマンにとっては、ほんとに助かります。
クリスマスイブに「聖夜のメサイア」を聴いて以来、約1月ぶりのサントリーホールということになりますが、この日の席は例によってP席でした。
<日時>2007年1月19日(金)19:15開演
<会場>サントリーホール
<曲目>
■バッハ:カンタータ『もろびとよ歓呼して神を迎えよ』BWV.51
■バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
■シューマン:交響曲第3番変ホ長調『ライン』op.97
<演奏>
■ソプラノ:森 麻季
■ピアノ :松本和将
■クリスティアン・アルミンク指揮
■新日本フィルハーモニー交響楽団
オープニングのバッハのカンタータは、私の大好きなカンタータのひとつで、いかにも新春にふさわしい選曲。
プログラムをぱらぱら眺めていると、森さんがアルミンクとともにステージに登場しました。
やっぱり華がありますねぇ。
期待して第1曲を待ちます。
しかし、冒頭のトランペットの音が大きい!
加えて、テンポが少し前のめりになる感じで、ソプラノが入ってきてもあまり音量が落ちません。一生懸命聴こうとすればするほど、ソプラノの声は聴こえないし、アンサンブルの乱れも気になりました。
P席だからということもあるのでしょうが、同じP席で聴いたアバド&ルツェルンのモーツァルトのコンサートアリアは、ソプラノのハルニッシュの声も明瞭に聴こえましたので、席だけの問題ではないようです。
そんなこともあって、肝心の第1曲のアリアについては、残念ながら楽しむことができませんでした。
意図したかどうか分かりませんが、アルミンクは、第2曲までの間を少し長めにとりました。
この効果は大きく、第2曲以降は美しいバッハを聴かせてくれました。
第3曲では、アルミンクが指揮をやめてソプラノとチェロ・オルガンに任せていたのですが、本当に美しかった。とくにソプラノを支えるチェロの素晴らしさが印象に残りました。
ただ、この日の森さんは少し調子が悪かったのかしら。
もちろん美しい声ではあったのですが、あの清楚ながら凛とした森さん独自の魅力が感じられなかったのです。
次回に期待しましょう。
前半の2曲目は、松本和将さんをソリストに迎えてのバルトークの3番。
これは良かった。
松本さんのピアノを聴くのは、この日が初めてでしたが、スケールが大きく雰囲気のあるピアニストですね。
第1楽章では、つぶやくようなフレーズが何度か出てきますが、実に自然に聴こえました。
第2楽章の瞑想するような深い表現、第3楽章の生気溢れる表情、いずれをとっても見事で、もし初めてこの曲を聴いた人がいたとしても、きっとこの曲のファンになったことでしょう。
またまた、魅力的なピアニストに出会うことが出来ました。
この日のメインは、シューマンの『ライン』。
悠然としたスケールの大きな『ライン』で、素晴らしい演奏でした。
アルミンクは、決して「勢いに任せて」という表現をとりません。
音楽の流れを大切にしつつ、常に内声から音楽を変化させ、バスにエネルギーを与え、旋律に真実味を感じさせてくれます。
どこかジュリーニの音楽を思わせる、そんな演奏でした。
ただ、第一楽章では、対旋律を随分意識してオケに指示していましたが、アルミンクが指示したほどには音として聴き手には伝わってきませんでした。
やはりシューマンのオーケストレーションの問題なんでしょうね。マーラー版を使ったと思われるジュリーニの演奏では、あざやかに対旋律が浮かび上がっていましたから・・・。
一方、フィナーレのエンディングに向かう構成力の巧みさと力感には、思わず手に汗握って聴き入ってしまいました。
また、終演後万来の拍手のなか、この日が最後のステージになるクラリネット奏者に後ろからそっと近づき、茶目っ気たっぷりの表情で大きな花束を渡しながら、長年の労を心からねぎらっていたアルミンクに、人間としての魅力を感じました。
来月も新日フィルの定期に行く予定ですが、次回のプロはブリュッヘンのモーツァルト。
今から、ワクワクしています。
それにしてもこの写真。アルミンクはティンパニの下にもぐりこんで何をしようとしているのでしょう・・・?
来週金曜日はE7が開催されます。romaniさんも常任理事の一員になっているようですよ。先の12月にアインザッツにいた7人をして「E7」なんだとか。
彼の演奏大好きです。シューマンのpコンしか聴いてませんが。繊細かつ、クレバー、柔らかい音。バルトークではきっとちがう味でしょう・・・。
さて話題は変りますが
今晩1・21 19:00~の「トップランナー}は小菅優さんです。ご存知だと思いましたが、念のため・・。〔笑)
森さんの場合は「すみだトリフォニー」のような、固めの壁でできたホールが良さそうです。声が浮き上がってきて、素晴らしかったです。オペラシティではやや小さめだったかな?
いつもありがとうございます。
>アルミンクはティンパニの下にもぐりこんで何をしようとしているのでしょう・・・?
新日フィルの来シーズンのテーマが“Resistance -抵抗-”だそうで、おそらく抵抗運動のイメージなのではないでしょうか。
でも、アルミンクのようなイケメンがやると、何をやっても決まりますねえ(笑)
>来週金曜日はE7が開催されます・・・
えっ?私も栄えある常任理事なんですか?
これは最高の栄誉でございます。(笑)
今週の金曜日は、あいにくコバケンのマラ9を聴きに行くので無理なのですが、次回はできるだけ参加させていただきます。
小菅さんの情報ありがとうございます。
今、番組をみながら、パソコンに向かっています。
なかなか気さくなキャラでいいですねえ。
松本和将さんのピアノ、emiさんのお仰るとおり、繊細でクレバーな感じでした。
バルトークも3番が一番彼にはフィットするように思います。
でも、一度バルトークの2番も聴いてみたいですね。
どんな演奏になるのでしょうか。
楽しみです・・・。
いつもありがとうございます。
>森麻季さんをP席で楽しむのは苦しそうですね
実は私もそう思っています。また、あのカンタータは技術的にも困難を極めるので、余計にそう感じたのかもしれません。
もう少し小ぶりのホールか、あるいは新国立劇場等のオペラ専用の会場で聴いてみたいと思います。
トップランナーでの演奏、どれも素晴らしかったですね。
初めて 彼女の演奏を聴きました。
「上手い」だけでなくイメージが自然で、しかも色彩豊かなので、楽しいです。
四六時中 この曲をどう弾こう?と考えている様子が伝わってきます。・・・演奏者はみんなそうですが・・;;
是非 ライブを聴こうと思います。そしたらromaniさんにも会えるかも・・・^^)
>「上手い」だけでなくイメージが自然で、しかも色彩豊かなので・・・
まさに、同感です。
とくにコンチェルトなんかの実演を聴くと、その感を強くします。
「音楽することが、楽しくってしかたがない!」という感じなんです。
彼女の資質からいうと、ブラームスも十分弾けると思いますので、ブラームスのコンチェルトか、はたまた私の好きなという意味でラヴェルかサンサーンスのコンチェルトを、次は聴いてみたいです。
是非そのときはご一緒しましょう。