ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

クープラン 「リュリ賛」 by ムジカ・アド・レーヌム

2012-09-30 | CDの試聴記
台風17号の影響が関東でも出始めた。
風に加えて雨も強くなってきた。
この調子では、きっと夜中には嵐になるんだろうなぁ。
何とか明日の朝には、通り過ぎてくれていれば良いのだけど。

さて今日で9月も終わり。
今月は、文字通り殺人的なスケジュールで全国を飛び回っていた。
同じテーマの出張ならまだしも、複数のテーマの講演と、その間隙をぬって大事なプレゼンが入っていたので、さすがに心身ともグロッキー気味。
この週末、一切仕事を忘れて休養できたので、ようやく元気が戻ってきた。

そんな忙しい中だったが、暇を見つけて聴いていたのがクープラン。
クープランの音楽で好きなのは、本当はクラブサンの曲。
なかでも私の一番のお気に入りは「神秘な障壁」という小品だ。
これといったメロディはないのに、何故かいつ聴いても気持ちが晴れやかになる。
とくに少しブルーなときに聴くと、「よっしゃ、もう一丁やってみるか」という気分にしてくれる。

ただ、今日はクラブサンの曲ではなく、室内楽を取り上げたい。
「王宮のコンセール」等も素晴らしいけど、ここ数日よく聴いていたのはトリオソナタの「リュリ賛」。
クープランはアポテオーズ(賛美曲)として、「コレッリ賛」と「リュリ賛」の2つの作品を遺してくれた。
「コレッリ讃」では、コレッリがミューズに導かれてパルナッソス山に住む音楽の神アポロンの元へいくまでを描いている。
一方「リュリ讃」では、アポロンがリュリを迎えに行きパルナッソス山に導くと、そこにはコレッリが待っている。
アポロンは、リュリとコレッリに向かって、「フランスとイタリアの音楽が結びあってこそ、音楽の完成がもたらされるはず」と説き、彼らは早速序曲を合作し、続いて二重奏でアリアを奏でた後、トリオソナタへとつながっていく。

どの曲も際立った個性があるわけではないけど、聴いていて不思議に心が落ち着いてくる。
とくにリュリとコレッリがヴァイオリンで合奏するアリアの素朴な味わい、その後トリオソナタに入った後の可憐な「ロンド」が好きだ。
深い感銘を与えてくれる音楽も勿論いいが、クープランのように優しく雅やかな音楽もこれまた素敵。
今日も、もう少しクープランを聴いてみよう。


■フランソワ・クープラン:室内合奏曲全集(7CD)
(演奏)ムジカ・アド・レーヌム


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