今頃なぜバイロイトの第九?
と思われる方もいらっしゃることと思いますが、昨日書きましたワルティに行ったお目当てがこれだったのです。
今回の第九は、最近評判になっている「OTAKEN盤の第九」です。
<曲目、演奏>
ベートーベン 交響曲第九番「合唱付」
フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管弦楽団
1951.7.29 ライブ
OTAKEN TKC-301
大学生のときにフルトヴェングラーの演奏に深い感銘を受けて以来、30年近い歳月が過ぎようとしています。
今でも宝物として我が家の棚でVIP扱いを受けているのは、ボックスに入っているフルトベングラーのベートーベン交響曲集(もちろんLP)ですが、このバイロイトの第九はその中でも私にとって中核に位置するものです。
CDの時代になってからも、よりよい状態の「バイロイトの第九」を求めて何枚も購入してきました。
そんななか、CDとしては最もいい音だというこのオタケン盤の評判を聴き、夢叶って昨日ワルティで入手することができました。
●OTAKEN盤の第九
オタケンこと太田憲志さんが、HMV初期ファーストフラットプレス 超ミント盤から復刻したもので、デジタルリマスタリングなしに直接CD化したものだそうです。
このCD化の背景はともかくとして、何よりその音質です。
想像以上に素晴らしい。もともとこの録音はライブ録音ということもあり、音質的に多くを期待できないと勝手に思い込んでいたのですが、この水準で聴かせてくれたら、もう何もいうことはありません。
既に私が持っている5種類のアルバム(国内盤LP・・・ブライトクランク盤です、初期の国内盤CD、オランダプレスCD、ART方式のCD全集、イタリアEMIのCD全集)に比べて、ベールを1枚剥いだ感じがします。たしかに当然板起し特有のノイズはありますが、聴き進むうちに何の障害にもならないどころか、むしろ臨場感を感じるところが不思議です。
主な特徴としては、バス・内声部が明瞭になり、木管楽器が随分美しくなったことでしょうか。また、従来は強音部で音がひずんだり団子になりがちでしたが、これも相当改善されています。
このため、今回のオタケン盤を聴いてみて新たに気づいたことが結構あり、改めて本当に凄い演奏だと思い知りました。
このような不滅の名演を前にして、私などがコメントすることもおこがましい話ですが、
たとえば、第一楽章冒頭、第3音が欠落した不安定な響きから、楽器の数を徐々に増やしつつ凄いエネルギー感でニ短調の第一主題が現われるあたり、本当に立体的かつ現実感をもって体感することができるようになりました。
また、終楽章のテーマがチェロ・コントラバスで最弱音で奏される前後の緊張感の凄いこと。今までも十二分に知っているつもりでしたが、音質が向上してことで感動は倍加しています。
この部分に関しては、評論家の吉田秀和さんが「これは一つの模範解答であって、こんな方法があると明らかにされてしまった以上、他の指揮者は同じ方法を採るわけには行かなくなった・・・。」というような趣旨のことを書かれていたことを、ふと思い出しました。
ワルツ堂の伝統を受け継ぐワルティ堂島に行けたこと、OTAKEN盤の第九に出会えたこと、マタチッチ&ザグレブPOのライブ盤等素敵な掘り出し物をたくさんゲットできたこと等、私にとって収穫の多い大阪出張でした。
また、先ほど、ちらっと触れましたが「イタリアEMIのベートーベン全集」、これも素晴らしいアルバムです。まだ全曲を聴いたわけではありませんが、おそらく誰が聴いても納得する素晴らしい音質だろうと思います。特に52年の「英雄」、54年の「運命」等は私も改めて魅了されました。
第九は、さすがに今回のOTAKEN盤に一歩譲りますね。
と思われる方もいらっしゃることと思いますが、昨日書きましたワルティに行ったお目当てがこれだったのです。
今回の第九は、最近評判になっている「OTAKEN盤の第九」です。
<曲目、演奏>
ベートーベン 交響曲第九番「合唱付」
フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管弦楽団
1951.7.29 ライブ
OTAKEN TKC-301
大学生のときにフルトヴェングラーの演奏に深い感銘を受けて以来、30年近い歳月が過ぎようとしています。
今でも宝物として我が家の棚でVIP扱いを受けているのは、ボックスに入っているフルトベングラーのベートーベン交響曲集(もちろんLP)ですが、このバイロイトの第九はその中でも私にとって中核に位置するものです。
CDの時代になってからも、よりよい状態の「バイロイトの第九」を求めて何枚も購入してきました。
そんななか、CDとしては最もいい音だというこのオタケン盤の評判を聴き、夢叶って昨日ワルティで入手することができました。
●OTAKEN盤の第九
オタケンこと太田憲志さんが、HMV初期ファーストフラットプレス 超ミント盤から復刻したもので、デジタルリマスタリングなしに直接CD化したものだそうです。
このCD化の背景はともかくとして、何よりその音質です。
想像以上に素晴らしい。もともとこの録音はライブ録音ということもあり、音質的に多くを期待できないと勝手に思い込んでいたのですが、この水準で聴かせてくれたら、もう何もいうことはありません。
既に私が持っている5種類のアルバム(国内盤LP・・・ブライトクランク盤です、初期の国内盤CD、オランダプレスCD、ART方式のCD全集、イタリアEMIのCD全集)に比べて、ベールを1枚剥いだ感じがします。たしかに当然板起し特有のノイズはありますが、聴き進むうちに何の障害にもならないどころか、むしろ臨場感を感じるところが不思議です。
主な特徴としては、バス・内声部が明瞭になり、木管楽器が随分美しくなったことでしょうか。また、従来は強音部で音がひずんだり団子になりがちでしたが、これも相当改善されています。
このため、今回のオタケン盤を聴いてみて新たに気づいたことが結構あり、改めて本当に凄い演奏だと思い知りました。
このような不滅の名演を前にして、私などがコメントすることもおこがましい話ですが、
たとえば、第一楽章冒頭、第3音が欠落した不安定な響きから、楽器の数を徐々に増やしつつ凄いエネルギー感でニ短調の第一主題が現われるあたり、本当に立体的かつ現実感をもって体感することができるようになりました。
また、終楽章のテーマがチェロ・コントラバスで最弱音で奏される前後の緊張感の凄いこと。今までも十二分に知っているつもりでしたが、音質が向上してことで感動は倍加しています。
この部分に関しては、評論家の吉田秀和さんが「これは一つの模範解答であって、こんな方法があると明らかにされてしまった以上、他の指揮者は同じ方法を採るわけには行かなくなった・・・。」というような趣旨のことを書かれていたことを、ふと思い出しました。
ワルツ堂の伝統を受け継ぐワルティ堂島に行けたこと、OTAKEN盤の第九に出会えたこと、マタチッチ&ザグレブPOのライブ盤等素敵な掘り出し物をたくさんゲットできたこと等、私にとって収穫の多い大阪出張でした。
また、先ほど、ちらっと触れましたが「イタリアEMIのベートーベン全集」、これも素晴らしいアルバムです。まだ全曲を聴いたわけではありませんが、おそらく誰が聴いても納得する素晴らしい音質だろうと思います。特に52年の「英雄」、54年の「運命」等は私も改めて魅了されました。
第九は、さすがに今回のOTAKEN盤に一歩譲りますね。
とても興味深く、記事を拝見致しました。前回のマタチッチ氏のお話からも、ワルティと言うお店には興味津々。また最近、りゅう様の記事で「未完成」のお話も録音に関するもので、奥が深いと感じたばかり。
私は国内盤で第九と英雄を聴いた後、輸入盤のBOXを購入。しかし、全集でこの2曲を聴いたことがありませんでした。今度、聴き比べてみます。またイタリアの全集も興味ありますね。2番などかなり違うのでしょうか。
それにしても私も、一度ワルティさんに行ってみたいなぁ~。失礼しました。
「ベールを1枚剥いだ感じ」、まさにその通りですね。演奏自体が替わる訳ではありませんが、その情報量や繊細優美さに感動を新たに致しました。
みー太様
2番は盤によって印象が変わると思われます。伊EMI盤は音作りがパワフルなので、ノイズをものともせず、音が聴こえてきます。
と思ったら、最近、拝借している、TOCE7530-の全集は、柔らかさが損なわれておらず、良さがわかりました。○野氏も、「この盤でなら、名演であることがわかる」ようなコメントを書いておられます。
コメント短くてごめんなさい。
忙しくなっちゃったんだけど、読んでます。
バッハのカンタータ、詳細今度連絡しますね♪
いつもありがとうございます。
記事にも書きましたが、このバイロイトの第九は音が貧しいと思い込んでいました。今回のオタケン盤でうれしかったのは、イマジネーションをあまり働かさなくても、音楽の素晴らしさを実感できたことです。
それから、ワルティ堂島さんのことですが、もし大阪へ行かれることがあれば是非立ち寄られたらいいと思いますよ。大手のCDショップとは異なった専門店の味があって私は好きです。ちなみにオタケン盤はすべて揃っていると思います。
ご来訪ありがとうございました。
フルトヴェングラーの演奏って、同じコンサートの録音と知っていても、より状態のいいものを求めて期待しちゃうんですよね。
でも、それが楽しみなのかもしれません。
今後ともよろしくお願い致します。
こんばんは。
いつもありがとうございます。新人さんはどんな感じですか?落ち着かれたら、またBlogで教えてください。お仕事あまり無理しすぎないように・・・。
ワルティは一度訪れたことがあります。落ち着いた良い店ですね。値付けは少し高めだったかなと、安物好きのボクは思いました(汗)。息子が大阪在住ですので、GETさせようかと思案中です。
最近、HMVでも広告出したりと、にわかに注目されていますね。
イタリーEMI盤・・・たしかにスタジオ録音のクオリティはすばらしいですね。
フルトヴェングラーの演奏は(私は音盤聴き比べはほどほどですけど)やはり、何か惹かれるものがあります。
ついにオタケン盤で聴いたのですね良いですねー。私もその内にオタケン盤を手に入れるつもりですが、近くのCDショップに入るかな?、ネットで注文するかな?イタリアEMI全集物は前から良いなとおもって購入していましたが、あんまり聴いてない…。
いつもありがとうございます。
「同じ演奏だと分かっていながら、何か新しい発見があるんじゃないかと考える」、これはまさに無間地獄ですね。でもmozart1889さんのように、無間地獄を一緒に味わえる方がいらっしゃると、心強い(?)です。