休日の楽しみのひとつは、なんと言っても珈琲。
自分で気に入った豆を挽いて、お湯を沸かし、ゆっくりとドリップで淹れます。
ここで焦ってはいけません。粉の膨らみ加減を確認しながら、じっくり蒸らして淹れます。
そして、お気に入りのカップに注いでソファーへ。
香り高い珈琲を味わいながら、好きなCDをプレーヤーにセットし、愛器クレモナから音楽が流れ出すと、そこは私だけの至福の世界になります。
プロフィールにも書かせていただいた「私の3種の神器」のうち、ふたつを同時に楽しんでいるわけですから、私にとっては、まさに最高の贅沢です。
最近、珈琲を飲みながらよく聴くのが、このディスク。
名作ハイドンセットの最後を飾るモーツァルトのK.465は、「不協和音」というニックネームをもっていますが、現代の感覚からみるとほんとに可愛いもの。
確かに冒頭は少しきつめの和音になっていますが、不安感を煽りたいのではなく、目指すところは「調和」「美しい響き」であることがすぐに分かってきます。
果たせるかな、主部が始まるとそこは別世界。
一気に書き上げられたということを裏付けるような、流麗な音楽が姿を現わします。
そんな音楽ですから、そのことを音として表現してくれる演奏で聴きたい。
全員がニューヨーク生まれというクロール・カルテットの演奏は、まさに私のこの期待に応えてくれています。
とくに第1楽章で、主部に移る前後の表現が絶妙です。
冒頭は混沌とした状態をごく自然に表現しているし、主部に入ったあとが何とも鮮やか。
なにも変わったことをしているわけではないのに、明るい主題を支えるバスの「トントントン・・・」というシンプルな刻みが実に印象的です。
しっかり地面に足をつけているにもかかわらず、重さ(重量)を感じさせません。
こんなことは、実演で一度だけ経験したことがあります。2年前にサントリーホールで聴いたウィーンフィルのクラリネット協奏曲の冒頭の伴奏が、まさにこんな感じでした。
このアメリカのカルテットで、こんな音楽を聴けるとは思わなかった。
しかし、曲全体としては、決してウィーン風の優雅な演奏というわけではありません。音はどのパートも遠慮なく出してくるし、結構めりはりもついている。
にもかかわらず、憎らしいくらいバランスがいいのです。
第2楽章を聴くとよく分かります。
旋律線はあくまでも息の長い表情を保ちながら、バスと内声が、ときに主張し・ときに抑えながら、見事なバランスで音楽全体の陰影をつけていきます。
LPからの板起こしですが、音質はとても聴きやすい。
小説でも読みながら、ゆったり聴くのもいいでしょう。
でも、少し入り込んで聴いてみると、何か新しい発見がある。
そんなモーツァルトです。
<曲目>
モーツァルト作曲
■弦楽四重奏曲 ハ長調「不協和音」K.465/
■弦楽四重奏曲 変ロ長調「狩」K.458
<演奏>
クロール弦楽四重奏団
■ウィリアム・クロール(Vn)
■ルイス・グレーラー(Vn)
■ネイサン・ゴードン(Va)
■エイヴロン・トウェルドフスキー(Vc)
自分で気に入った豆を挽いて、お湯を沸かし、ゆっくりとドリップで淹れます。
ここで焦ってはいけません。粉の膨らみ加減を確認しながら、じっくり蒸らして淹れます。
そして、お気に入りのカップに注いでソファーへ。
香り高い珈琲を味わいながら、好きなCDをプレーヤーにセットし、愛器クレモナから音楽が流れ出すと、そこは私だけの至福の世界になります。
プロフィールにも書かせていただいた「私の3種の神器」のうち、ふたつを同時に楽しんでいるわけですから、私にとっては、まさに最高の贅沢です。
最近、珈琲を飲みながらよく聴くのが、このディスク。
名作ハイドンセットの最後を飾るモーツァルトのK.465は、「不協和音」というニックネームをもっていますが、現代の感覚からみるとほんとに可愛いもの。
確かに冒頭は少しきつめの和音になっていますが、不安感を煽りたいのではなく、目指すところは「調和」「美しい響き」であることがすぐに分かってきます。
果たせるかな、主部が始まるとそこは別世界。
一気に書き上げられたということを裏付けるような、流麗な音楽が姿を現わします。
そんな音楽ですから、そのことを音として表現してくれる演奏で聴きたい。
全員がニューヨーク生まれというクロール・カルテットの演奏は、まさに私のこの期待に応えてくれています。
とくに第1楽章で、主部に移る前後の表現が絶妙です。
冒頭は混沌とした状態をごく自然に表現しているし、主部に入ったあとが何とも鮮やか。
なにも変わったことをしているわけではないのに、明るい主題を支えるバスの「トントントン・・・」というシンプルな刻みが実に印象的です。
しっかり地面に足をつけているにもかかわらず、重さ(重量)を感じさせません。
こんなことは、実演で一度だけ経験したことがあります。2年前にサントリーホールで聴いたウィーンフィルのクラリネット協奏曲の冒頭の伴奏が、まさにこんな感じでした。
このアメリカのカルテットで、こんな音楽を聴けるとは思わなかった。
しかし、曲全体としては、決してウィーン風の優雅な演奏というわけではありません。音はどのパートも遠慮なく出してくるし、結構めりはりもついている。
にもかかわらず、憎らしいくらいバランスがいいのです。
第2楽章を聴くとよく分かります。
旋律線はあくまでも息の長い表情を保ちながら、バスと内声が、ときに主張し・ときに抑えながら、見事なバランスで音楽全体の陰影をつけていきます。
LPからの板起こしですが、音質はとても聴きやすい。
小説でも読みながら、ゆったり聴くのもいいでしょう。
でも、少し入り込んで聴いてみると、何か新しい発見がある。
そんなモーツァルトです。
<曲目>
モーツァルト作曲
■弦楽四重奏曲 ハ長調「不協和音」K.465/
■弦楽四重奏曲 変ロ長調「狩」K.458
<演奏>
クロール弦楽四重奏団
■ウィリアム・クロール(Vn)
■ルイス・グレーラー(Vn)
■ネイサン・ゴードン(Va)
■エイヴロン・トウェルドフスキー(Vc)
珈琲と室内楽は、一番リッチな気分にしてくれる組み合わせかもしれません。
世の中が、あまりに速く進みすぎるような気がするので、ほっとさせてくれるのかもしれませんね。
narkejpさまご推薦のハイドンも、本当に素敵な曲ですよね。急に聴いてみたくなりました。(笑)
今日仕事から帰ったら、聴いてみます。
ありがとうございました。
一点気になりましたのは、このクロール四重奏団のバイオリンのルイス・グレーラーは、その昔、日本フィルが新日フィルと日フィルに分裂した当時のコンマスではないでしょうか?日本ではLouisをルイと表記していたので、ルイ・グレーラーで通っていました。くだらない投稿でごめんなさい。ついつい懐かしくなったもので・・・今後とも楽しみにしております。
グレーラーは、やはり日本フィルのコンマスと同人物でした。以下NY Times December 15, 1987の記事です。
Louis Graeler, Violinist, 74
Louis Graeler, a violinist and member of the Kroll Quartet for 20 years, died of cardiac arrest Dec. 8 in Tokyo, where he lived. He was 74 years old.
Mr. Graeler also played under Arturo Toscanini in the NBC Symphony Orchestra, and was concertmaster of Symphony of the Air and the New York City Ballet's orchestra.
In 1960, he became concertmaster of the Japan Philharmonic Orchestra, and later was concertmaster of the New Japan Philharmonic.
He is survived by his wife, Yuko, of Tokyo, and a son, John, of Los Angeles.
以上です。お邪魔しました。
ようこそ、おいでくださいました。
セカンドヴァイオリンのグレーラーさんは、何と日本でコンサートマスターをしておられたのですか・・・。
しかも、オケが分裂する前後の期間にまたがって活躍されてたとは。
日本の音楽界にとっても、きっと大恩人なんですね。
何か急に親近感を覚えてきました。
大変貴重な情報、ほんとにありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。