ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

スクロヴァチェフスキ&読響 シューマン:交響曲第3番「ライン」ほか(3/20) @東京芸術劇場

2010-03-22 | コンサートの感想
昨日は、いま私が最も期待している部下の結婚式があった。
会場は、池袋のレストラン・ウェディング。
媒酌人をたてないスタイルの披露宴だったが、昨日はチャペルで行われた結婚式から出席させてもらった。
オルガンで静かに奏でられる「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を聴きながら、思わず涙が出そうになって大いに困った。
東京と大阪の遠距離恋愛を見事に実らせてゴールインした二人は、お世辞抜きにお似合いのカップル。
長い結婚生活、いろいろなことがあると思うけど、明るい二人のことだから、すべてをポジティブにとらえてきっと素敵な家庭を築くことだろう。
末永くお幸せに・・・。

さて、忘れないうちに、一昨日、同じ池袋にある芸劇で聴いた読響マチネの感想を。
<日時>2010年3月20日(土) 14:00開演
<会場>東京芸術劇場
<曲目>
■R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
■スクロヴァチェフスキ:「Music for Winds」
(読売日響・ミネソタ管他共同委嘱作品、日本初演)
■シューマン:交響曲第3番〈ライン〉
<演奏>
■スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
■読売日本交響楽団

今回のマチネーは特別の意味を持つコンサートだ。
それは、今月限りで読響の常任指揮者を退任するスクロヴァチェフスキが指揮する最後のマチネ-コンサートだったから。
また、4月から芸劇名曲会員に変更した関係で、私にとってもマチネ会員として聴くのはこれが最後になる。
そんなこんなで、特別の感慨を持って開演を待った。
そして大きな拍手に迎えられて、スクロヴァチェフスキがステージに登場。
コンマスと握手した後、いつもどおりの短めの指揮棒をさっと構える。
ドン・ファンの最初の音を聴いた瞬間、「おー、本気になった読響だ」と感じた。
この87歳のマエストロのために、全員がリスペクトの念を持ちながら演奏している。
本当に素晴らしいことだ。
こんな時間を共有したい一心で、私はコンサート通いを続けているような気がする。
マエストロ自作の「Music for Winds」は、サックスを含む管楽器に打楽器を加えた構成で昨年12月にザールブリュッケンで初演されている。
前衛的な雰囲気はなく、私は大いに気に入った。
サックスの表現力の高さが印象に残る。
解説に書かれていた悲劇性というのはあまり感じなかったが、スクロヴァ氏の次の言葉はそのとおりだと思った。
「偉大な芸術が徐々に消えていき、表面的な見せかけの芸術にとって代わられようとしているこの世界の現状への、私なりのリアクションかもしれない」

後半は、シューマンの「ライン」。
素晴らしい。
掛け値なしに素晴らしい演奏だった。
この瑞々しく躍動感にあふれた音楽を聴いたら、マエストロが87歳なんて到底信じられない。
とりわけ、第4楽章が鳥肌がたつほど大きな感銘を与えてくれた。
感動的な金管のコラールを、私は眼を閉じて聴いた。
それほどの神々しさがあった。
そして弦のピチカートがこれほど鮮烈に胸に響いたことはない。
シューマンもきっと喜んでいるだろう。
終演後、思わずブラヴォーと叫んでしまった。

幸いなことに、今週サントリーホールでの定期演奏会で、もう一度マエストロの演奏を聴くことができる。
曲はブルックナーの8番。
昨年いささか残念な思いをした曲だ。
ミスターSが、その鬱憤を晴らしてくれるだろうか。
大いに楽しみにしている。

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