モーツァルトは一般的に41曲のシンフォニーを書いたとされていますが、散逸したりしたものもあるので、本当のところは50曲以上ともいわれています。
ところで、記念すべき第1番はどんな曲なんでしょうか。
私はモーツァルトに限らず、作曲家の第1番シンフォニーに大いに関心があるんです。円熟による深みというのはさすがに期待できませんが、後年のスタイルが垣間見えたり、若いときにしか書けない魅力を発見できるからです。
モーツァルトの第1番は、彼が8歳のときにロンドンで作曲されています。
現在の8歳(小学3年生)と単純に比較は出来ませんが、早熟の天才であったことは間違いありません。
先日放映されたN響アワーで、作曲家の池辺晋一郎さんがこの曲の解説をされていましたので、ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、この曲の第1楽章と第2楽章では、なんと例のジュピター音型(ド・レ・ファ・ミ)が登場します。
最初と最後のシンフォニーに同じ主題が使われているというのも、やはり不思議な結びつきを感じますね。(もっとも、モーツァルトは「ジュピター」が最後のシンフォニーになるとは全然考えていなかったと思いますが・・・)
ちなみにこのジュピター音型は、もともとグレゴリオ聖歌の一節だそうですが、モーツァルトは第41番「ジュピター」の終楽章以外にも、第33番の第1楽章や K.Anh.214 (45b)の変ロ長調交響曲の第1楽章でも使っています。
きっと、お気に入りのモティーフだったのでしょうね。
さて3楽章からなるこのシンフォニー、さすがに中~後期の作品のようなモーツァルトが真の天才ぶりを示したものとは異なりますが、この初々しさ、爽快感はやはりただものではありません。
少なくとも私には、すこぶる魅力的に感じます。
第1楽章冒頭、ファンファーレ風のフレーズを明快にフォルテで提示した後、ただちに音量をピアノに落としジュピター音型を伸びやかに登場させます。この表情の対比は大変見事なものですね。
先生であったクリスティアン・バッハの影響を多く受けているとはいいながらも、このあたりのセンスの良さを既に8歳のモーツァルトが持っていたということは、驚くべきことです。
第2楽章では、第1楽章で印象づけたジュピター音型をホルンが扱いますが、その自然な音楽の運びはやっぱりモーツァルトだと感じます。
フィナーレの豪快な音楽との対比も、また見事なもの。
なかなか聴く機会も少ない曲ですが、私はこの曲好きです。
お薦めCDを1枚あげると、ピノック指揮のイングリッシュコンソート盤。
若いモーツァルトの颯爽とした魅力を、楽しく見事に表現してくれています。
ところで、記念すべき第1番はどんな曲なんでしょうか。
私はモーツァルトに限らず、作曲家の第1番シンフォニーに大いに関心があるんです。円熟による深みというのはさすがに期待できませんが、後年のスタイルが垣間見えたり、若いときにしか書けない魅力を発見できるからです。
モーツァルトの第1番は、彼が8歳のときにロンドンで作曲されています。
現在の8歳(小学3年生)と単純に比較は出来ませんが、早熟の天才であったことは間違いありません。
先日放映されたN響アワーで、作曲家の池辺晋一郎さんがこの曲の解説をされていましたので、ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、この曲の第1楽章と第2楽章では、なんと例のジュピター音型(ド・レ・ファ・ミ)が登場します。
最初と最後のシンフォニーに同じ主題が使われているというのも、やはり不思議な結びつきを感じますね。(もっとも、モーツァルトは「ジュピター」が最後のシンフォニーになるとは全然考えていなかったと思いますが・・・)
ちなみにこのジュピター音型は、もともとグレゴリオ聖歌の一節だそうですが、モーツァルトは第41番「ジュピター」の終楽章以外にも、第33番の第1楽章や K.Anh.214 (45b)の変ロ長調交響曲の第1楽章でも使っています。
きっと、お気に入りのモティーフだったのでしょうね。
さて3楽章からなるこのシンフォニー、さすがに中~後期の作品のようなモーツァルトが真の天才ぶりを示したものとは異なりますが、この初々しさ、爽快感はやはりただものではありません。
少なくとも私には、すこぶる魅力的に感じます。
第1楽章冒頭、ファンファーレ風のフレーズを明快にフォルテで提示した後、ただちに音量をピアノに落としジュピター音型を伸びやかに登場させます。この表情の対比は大変見事なものですね。
先生であったクリスティアン・バッハの影響を多く受けているとはいいながらも、このあたりのセンスの良さを既に8歳のモーツァルトが持っていたということは、驚くべきことです。
第2楽章では、第1楽章で印象づけたジュピター音型をホルンが扱いますが、その自然な音楽の運びはやっぱりモーツァルトだと感じます。
フィナーレの豪快な音楽との対比も、また見事なもの。
なかなか聴く機会も少ない曲ですが、私はこの曲好きです。
お薦めCDを1枚あげると、ピノック指揮のイングリッシュコンソート盤。
若いモーツァルトの颯爽とした魅力を、楽しく見事に表現してくれています。
1番とジュピターが、同じ型とは・・・。面白いです。起承転結の人生・・・?
作曲家、分野別、1番特集、神童ぶりのチェック、Part、2 密かに、期待してます。m( )m
深みにはちょっと欠けるけれど、完成度は驚くほど高い作品ですよね~。 特に主題や短いフレーズの中で強弱で表情を生み出す手法にはちょっと感激しました。 まあ、今の時点で頻繁に取り出して聴いてみたい曲とは言えないけれど、とっても魅力的な曲であることには違いないですよね。 もっと歳をとるとこういう音楽がものすご~く心地よくなるのかもしれません(笑)。
勝手にジュピター音型と書きましたが、こんなネーミングがあるのかどうか・・・。
少し不安です。(笑)
でも、ハイドン、ベートーベン、シューマン、ブラームス、チャイコフスキー、マーラー、シベリウス、ショスタコーヴィチ等々、いずれの第1番も傑作かどうかは別にして、私はとても魅力的だと思います。
私が魅力的に感じたところを、また書きますね。
楽しみにお待ちください。
ありがとうございました。
いつもありがとうございます。
>特に主題や短いフレーズの中で強弱で表情を生み出す手法にはちょっと感激しました。
同感です。単に早熟という言葉では説明しがたい「何か」をモーツァルトは持っていると思います。
ただ、後期の作品と比べると、逆に決定的な違いも感じるのですが、この「何か」について、今年一杯じっくり考えてみようと思います。
こんばんは〜!
この記事を興味深く拝読しました。
特に“ジュピター音型は、もともとグレゴリオ聖歌の一節”の件は、知りませんでした。
とても、勉強になります。
さて、久し振りにCD関連の記事「ブラームス/交響曲第5番?」をエントリーしました。
空いた時間に遊びにいらっして下さ〜い!
コメントありがとうございます。
このジュピター音型は、パガニーニのカプリスほどではありませんが、結構音楽家の間では流行の主題だったのかもしれませんね。
昨年、ヴェルディのオテロを舞台でみたときに、途中でジュピター音型が登場して、いささか驚いた記憶があります。
>ブラームスの5番・・・
これは面白かったですヨ。
最初は「すわっ、新発見?」と思い、その後にんまり笑ってしまいました。